ノムさん“側近”元ヤクルト編成部長がドラフト成否を採点…「戦略型と独自路線型。90点は西武と日ハム、60点は楽天、ロッテだ」
日ハムをトップに挙げたのは「独自路線型」としての評価。支配下最多の9人を指名したが、上位の5人中4人が高校生。投手5人、内野手4人と偏ったが、松井氏は「日ハムは2023年の新球場元年をイメージした意図が明確な独自ドラフト。達は将来性という点では最もノビシロが期待できる投手。球団のビジョンを貫いた部分を高く評価したい」という。 西武、日ハムに続く「80点以上の成功」の上位グループには、横浜DeNA、巨人、ヤクルト、ソフトバンク、オリックスの5球団を挙げた。 その中でも最上位は横浜DeNA。 「1本釣りの戦略を続けていた横浜DeNAが競合覚悟で小園を指名しクジを引き当てた時点で今ドラフトは成功だ。横浜DeNAは先発に左腕は揃っているチームで右腕が足りない。そこに2位で早大の徳山壮磨、4位で法大の三浦銀二の大学生右腕2枚を指名して補った。不器用そうな三浦の評価が分かれるため4位で指名できたのだろうが、チームの意図は見えた。さらに高校生捕手を指名できておけばベストだっただろう」 隅田を1位入札したものの11年連続でクジを外すことになった巨人は7人中6人が投手。そのうち大学社会人が3人、高校生が3人という構成。V戦線から脱落した今季の戦いを見れば、先発、ブルペンが共に崩壊した投手陣の整備が急務だった。 「巨人は1位クジ11連敗。こうなるとドラフト戦略が狂うものだが、1位で最速157キロだという関西国際大のサイドハンド、翁田大勢、2位はJR東日本の左腕、山田龍聖、3位はコントロールが武器の日大の右腕、赤星優志とバラエティ豊かな即戦力で上位3人を揃えた。工夫は見えたし、4位で原監督の母校、東海大相模の甲子園優勝投手である左腕、石田隼都を抑えた。偏ったドラフトに賛否はあるかもしれないが、補強ポイントにしっかり的を絞ったという点は評価すべき」 「80点を付けていい」と採点したのが、ヤクルト、ソフトバンク、オリックスの3球団だ。ヤクルトは隅田をクジで外したが、法大の左腕、山下輝を広島と競合の末にゲット。3位では日本通運のリリーフ型右腕の柴田大地を指名し来年の補強ポイントを埋めた。 松井氏が「番外編として注目していた」という明大の俊足&強肩の左の外野手、丸山和郁も2位で指名。 ソフトバンクは“高校BIG3“のノースアジア大明桜の風間球打を事前公表から1本釣り、2位で慶応大のリーグ通算10本塁打の右のスラッガー、正木智也外野手、3位では、甲子園で存在感を示した北海高の左腕、木村大成を指名した。 「左の即戦力が欲しいヤクルトは独特の手首の使い方をして馬力もある山下を指名できたのは大きい。前橋育英時代に甲子園で8盗塁した丸山の評価が高かったのは驚いた。3位で即戦力のリリーバーを抑えて下位で野手と投手の高校生も指名しバランスもとった。ソフトバンクは1位、3位で将来性を買った左右の高校生投手に、2位で長距離砲で対応力もある右打者の正木を指名した。どちらかというと独自路線型だが選手層に余裕があるからこその構成だったと思う」