ノムさん“側近”元ヤクルト編成部長がドラフト成否を採点…「戦略型と独自路線型。90点は西武と日ハム、60点は楽天、ロッテだ」
またパ・リーグで優勝へ邁進しているオリックスは、東北福祉大の即戦力右腕、椋木蓮を1位で単独指名し、社会人投手を2人指名、野手も即戦力を軸にして内野手、捕手、外野手2人の4人を指名するなど来季の補強ポイントを即戦力でまとめた戦略型ドラフトとなり、松井氏は、「椋木はクイックなど課題も多いが柔らかさがあり法大の三浦より上のランクと見ていた。より即戦力に近いドラフト。優勝に向けて突っ走っているチームが来季上積みが必要な部分を補強した」と分析した。 中位グループは、75点の中日、70点の阪神、65点の広島だ。 中日は、単独1位指名した上武大のブライト健太外野手、2位の駒大の鵜飼航丞外野手をはじめとして6人中5人が野手。得点力不足に泣いた切羽詰まったチーム事情を映し出す来年勝負の戦略型の典型となった。3位で、独立リーグ系では三振奪取率の高い快速リリーバーとして評判の火の国サラマンダーズの石森大誠を指名しているが”偏向ドラフト”となり評価が分かれる。松井氏は、こんな見方をした。 「ブライトは柔らかく鍛えることが難しい天性のスピートを持っているので粗削りではあるが面白い。ただ2位でも指名できたのではないか。そして問題は残る4人の野手のレベル。楽天時代の2005年のドラフトでは、野手の底上げを目的に草野大輔ら大学、社会人の野手を5人獲得したがファームの底上げをするだけで終わったことがある」 また阪神は育成と即戦力のバランスを評価した。 「計算していたのか、ラッキーだったのかわからないが小園を外して高知高の森木大智を指名でき、2、3、5位は即戦力投手で固めた。2位の創価大の左腕、鈴木勇斗、3位の新潟医療福祉大の左腕、桐敷拓馬は評価の高かった投手。4位では甲子園組で地元関西の智弁学園の前川右京外野手、7位でも甲子園組の京都国際高の中川勇斗捕手を指名したのは評価できる。それでも70点と採点を下げたのは森木の未知の部分。また投手補強がテーマの広島は、隅田、山下と2度外したのは痛い。関学の黒原拓未、三菱重工Westの森翔平の即戦力左腕2人指名したが、彼らが勝利方程式を形成できるランクにあるかどうか」 一方で下位の「失敗グループ」は楽天、ロッテの2球団とした。 「楽天は独自路線を貫いた。1位の吉野指名は思い切った。右の長距離砲が浅村一人というチーム事情があり、右の長距離打者、高年齢化している投手陣の立て直しがテーマではあるが、指名メンバーを見て、もうひとつ狙いが見えづらかった。評価が真っ二つに分かれるだろうが、私は疑問を投げかけたい。ロッテも1位で単独指名しなくても松川は獲得可能だったのではないか。三菱自動車倉敷のパワーピッチャーである廣畑敦也が3位で残っていたのはラッキーだったが、成功とは言えない。厳しいようだが60点の採点とした」