なぜ小園健太と松川虎生は史上初の同一高校バッテリーWドラ1指名を受けたのか…2人を支えた監督からのLINE内容とは?
ドラフト会議が11日、リモート開催され、市立和歌山高のバッテリーが、ドラフト史上初めて同一高校から1位指名されるという快挙があった。“高校BIG3”の1人、MAX152キロ右腕の小園健太投手が横浜DeNA、阪神の2球団競合の末、横浜DeNAに引き当てられると、中学時代から「貝塚ヤング」でバッテリーを組んできた松川虎生捕手もロッテから単独の1位指名を受けた。同一の公立高校から同時にドラフト1位選手を輩出するのは1984年の箕島(和歌山)以来37年ぶりとなった。2人はどんな決意で門出の日を迎えたのか。
断水被害を受けた学校で会見
市立和歌山高校の「洗心館」と呼ばれる体育館スペースに設定された会見場は、100人以上の報道陣の熱気に包まれていた。3日に学校近くを流れる紀の川の水道橋が崩落。和歌山市の約6万世帯で大規模な断水が発生したことは全国で大きく報じられたが、同校も被災し、臨時休校、オンライン授業を余儀なくされていたという。何とか9日には、元の状況に戻ったそうだが、それまで野球部は和歌山市内の他校のグラウンドを借りるなどして活動。親交の深い兵庫・尼崎市の学校からは2リットルの水60ケース(計360本)が差し入れられ、ありがたく頂戴したという。 そんな被災直後に行われたドラフトで“サプライズ”が起きた。高校BIG3と評価された小園の1位指名は間違いなく、どこに指名されるかだけが焦点だったが、バッテリーを組んできた松川もロッテに単独1位指名されたのである。2人は別室のテレビで1位指名を確認してから会場入りした。 少し緊張した表情で先に口を開いたのは小園。 「本当にうれしいです。DeNAは投打ともにレベルが高くバランスがいい印象。三浦監督は長年球界を代表する投手として活躍されてきた方。自分もそのような投手になりたい。直球だけでなくカーブが印象的で、緩急やピッチングの部分を質問したい」と話し、「先発でシーズンを通して2桁勝ち、球界を代表するエースになりたい。最も欲しいタイトルは最優秀防御率。年間の数字? 20勝したい。通算? 200勝です」と力強く抱負を語った。 続いて“プロ第一声”を発したのは高校通算43発の松川だ。 「本当に一巡目で名前が呼ばれるとは思ってなかったのでビックリしました。ロッテは総合力、ここぞというところで力を発揮するすごいチームと思ってます。ファンの応援も素晴らしいし、すごく好きです」 目標については「打てる捕手というのを意識してます。ホームラン打者になりたいし、打率も残したい」と明言した。 人懐こい笑顔が印象的。強肩と長打力に加えて配球を考える頭脳も兼ね備える。この表情でマウンドで孤独な戦いを余儀なくされてきた小園をリードしてきたのだろう。