明日ドラフト!元ヤクルト編成部長で阪神スカウトも務めたノムさんの”元側近”が選ぶ「本当に獲得すべき8人」
プロ野球のドラフト会議が明日11日に開催される。“高校BIG3“と呼ばれる小園健太(市立和歌山)、森木大智(高知)、風間球打(ノースアジア大明桜)の3投手の動向に注目が集まるが、西武は12球団のトップを切り、大学ナンバーワン左腕の隅田知一郎(西日本工大)の1位指名を公表、続いてソフトバンクも風間の1位指名を発表した。重複確実の選手が少ない”氷河期ドラフト”との評価もあるが、本当に獲得すべき逸材は誰なのか。ヤクルトで編成部長を務め、故・野村克也氏のもとでヤクルト、阪神、楽天でコーチを歴任し“ノムさんの元右腕”として知られる松井優典氏に独自目線で有力候補をピックアップしてもらった。
総合的にナンバーワン評価は小園健太
“氷河期ドラフト“と言えるかもしれない。佐藤輝明(阪神)、早川隆久(楽天)に、それぞれ4球団が競合した昨年と比べると超逸材は不在。全体的なレベルも高くはない。 「“高校BIG4“を含め競合しそうな選手はいることはいるが、昨年の佐藤のような超目玉はいない。全体的にレベルは高いとは言えないドラフト。どの球団も、それぞれの事情と好みによって直前まで指名リスト作りに迷うと思う」 そう分析したのは、名将のノムさんを“側近“として支え、ユニホームを脱いだ後も、阪神では関東地区の社会人担当のスカウトを務め、ヤクルトでは、2014、2015年の2年間、編成部長としてドラフトの指揮を執った松井氏だ。現在は、浦和学院の外部コーチを務めており、今なお残る独自の情報網と映像をもとに今ドラフトの有力候補を独自チェックしてもらった。まずは、小園、森木、風間の“高校BIG3“の評価。松井氏は、そこに天理の達孝太投手を加えて、”高校BIG4”として、独自見解をこう展開した。 「即戦力に最も近く一番評価するのは小園。完成度が高い。まずは体型がピッチャーらしくバランスがとれている。同じくドラフト候補の中京大中京の畔柳亨丞とは対照的にすでにプロでやれる体幹の強さがある。150キロを超えるストレートに加え球種も豊富。チェンジアップを駆使できるのもセンスがある証拠だ。たとえば、打者がバントをしてくるシチュエーションでも、どこに投げればいいかを知っている。これもセンス。完成度と将来性を含めて4人の中で一番だろう。ヤクルト2年目の奥川恭伸の高校時代と同じレベルにある。むしろ、下半身の柔らかさは、小園が上。球筋も奥川が“ドン“とくるボールならば小園は”ビュッ”とくる。この違いは下半身の使い方の差だ」 一番手に推した小園は、今夏の甲子園には出場できなかったが、センバツでは1回戦の県岐阜商で完封勝利。最速152キロのストレートに、カット、ツーシーム、スライダー、チェンジアップと球種も多彩だ。