立憲代表選 立候補4氏が会見(全文4完)日米地位協定の改定を試みたい
原発ゼロという言葉をどう扱っていくのか
北海道新聞:北海道新聞の袖山です。原発についてお伺いしたいんですけれども、原発ゼロという表現なんですが、衆院選の公約の土台となる基本政策には原発ゼロ社会を一日も早く実現するということがありまして、当時の連合の神津会長が苦言を呈した経緯があります。選挙が、参院選がまた約半年後に迫っている中で皆さん、この原発ゼロという言葉に関してどのように扱っていくお考えなのかお願いいたします。 司会:小川候補からよろしくお願いします。 小川:これは時間軸の問題が極めて重要だと思っています。未来永劫、原子力発電に頼っていくということはできませんし、いずれきちんと卒業していかなきゃいけないと思います。ただ、この間、福島の事故というのは本当に取り返しの付かない事故であり、被害者、犠牲者の皆さまにどういう言葉を掛けていいのか、それすらも見当たらないぐらいの日本の歴史の大きな傷だと思いますが、一方でこの間、エネルギーの安定供給に一生懸命努めてきた一般の電力関係者、これ、この方々なりの責任感とか使命感、これも片やあったわけでありまして、これは本当いろんな難しい問題を引き取りながら、エネルギー政策は外交・安全保障政策同様、現実的かつ安定的である必要がある。このことも旨としながら、しかし将来的には確実にこの原子力発電、ならびにもっと言えば化石燃料も含めてですよね。ここから卒業していかなきゃいけない。その道筋を具体的にどういう政治日程でテーブルに乗せていけるか、それが私たちに問われている大きな課題だというふうに感じています。
ブラックアウトは絶対起こしてはいけない
泉:立憲民主党は今回の政権政策でも、2050年カーボンニュートラル、これを原発に依存しない形で実現していくんだということを掲げている政党です。ですから着実に原発を減らしていくということを進めていきたいと思います。そのときにやはり重要なのは、安定供給というのは政治の責任でもあるということですね。ですからブラックアウトは、絶対起こしてはいけない。事業者だけの責任ではなく政治、このブラックアウトが起きれば命に関わるんだということを大前提として、だからこそ代替エネルギー、要は原発がなくなった場合のその地域の安定供給ということに、より立憲民主党は具体的にアプローチを、政策を出していかなきゃいいけないというふうに思います。 減らすほうの話ばかりしても仕方がないんですね。新しいエネルギーを生み出すことや、あるいは省エネ、こういうことをしっかりとつくり上げていく、そして国民の皆さんに提示することが何より原発への依存を減らしていく大きな視点だと思いますので、ぜひ、そういった意味で私はこの自然エネルギーの促進や省エネ技術の推進、蓄電池の活用、こういったことに、積極的により進めていく立憲民主党をつくっていきたいと思っています。 西村:私はまず政府の方針として原発の新増設を行わない、そして早期にこれをなくしていく、その方針を明確にすべきだと考えています。そのためには当然のこと、カーボンニュートラルが前提です。再生可能エネルギーの普及、開発促進、これに政府の方針として集中的に投資をしていくということ、これをやらなければいけないと考えています。 逢坂:私自身は、一日も早い原発ゼロ社会の実現っていうのは、これはしっかり守っていきたい、その方針でいきたいと思っています。ただ、その際に考慮すべきことは雇用の問題、それから電力会社の経営の問題、さらに日本の原発立地地域には多額の交付金が出ていますので、地域振興に配慮する。こういうことを前提にして一日も早く原発ゼロ社会をつくる。 そのためにはやはり政府が原発をゼロにするんだということを明確な意思として決定することだと思っています。理由が実は2つあります。1つは、使用済み核燃料を処理できないままに、ずっと積み上がっています。それを核燃料サイクルによってまた新たな燃料として使うんだということを政府は言っていますが、今度は使用積みMOX燃料ができるんです。使用済みMOX燃料の処理も結果的にはできないわけです。これが1つ原発をやめなければならない理由。