初の「赤信号」点灯 そもそも「大阪モデル」とは?
新型コロナウイルスの感染拡大に対し、大阪府は感染状況を判断する独自基準「大阪モデル」と、同モデルに基づく感染防止対策を定めています。12月3日には緊急の対策本部会議を開き、重症者を受け入れる病床(重症者病床)の使用率が70%に迫ったことを受け、同モデルで“非常事態”を示す「赤信号」を初めて点灯させることを決めました。この「赤信号」とは、どういう位置づけのものなのか。同モデルの指標や感染防止策について、府の担当者に聞きました。 【図解】新型コロナ感染の「第3波」とは? 感染者数の推移
5つの指標を見て「黄」「赤」「緑」信号
大阪モデルでは、感染状況の深刻度を示すグレードとして「警戒(黄信号)」「非常事態(赤信号)」「(警戒・非常事態)解除(緑信号)」の3つの基準を定め、府民に伝えています。 各グレードに移行するかどうかを判断するための指標は、以下の3つのカテゴリーで5項目のデータを採用。これらをモニタリングし、結果を府のサイトで公表しています。 ◎市中での感染拡大状況 (1)新規陽性者における感染経路不明者数(過去7日間の平均値)の前週比 (2)新規陽性者における感染経路不明者数(過去7日間の平均値) ◎新規陽性患者の拡大状況 (3)7日間の合計新規陽性者数 (4)直近1週間の人口10万人あたりの新規陽性者数 ◎病床のひっ迫状況 (5)重症者病床の使用率 黄信号には、これら5つの指標のうち、「(1)が2倍以上、かつ(2)が10人以上の増加」と「(3)が120人以上の増加、そのうち後半3日間で半数以上」の3つの指標が基準をすべて満たした場合に移行します。赤信号には、さらに「(5)が70%以上(黄信号に移行後25日以内)」になった場合に引き上げられます。 一方で、「(2)が10人未満」「(4)が0.5人未満」「(5)が60%未満」の3つすべてを満たした場合には警戒あるいは非常事態を解除、すなわち緑信号に移行します。たとえ、それまで赤信号であったとしても、黄信号を経て緑信号に戻るのではなく、上記の3つの条件が満たされれば一気に解除となります。各グレードへの移行は、こうしたモニタリング指標の数値をもとに、府の新型コロナウイルス対策本部会議で協議して決定します。