【Q&A】東京都のコロナ「4段階の警戒レベル」とは?
東京都は新型コロナウイルスの感染状況などを把握する目的で、2020年7月から毎週、小池百合子知事ら都幹部に医療専門家らを交えた「モニタリング会議」を開催しています。ここでの専門家らの意見に基づいて、都は感染状況と医療提供体制が4段階の警戒レベルのどこに位置するのかを判断し、公表してきました。では、この4段階は何を意味するのでしょうか。また、モニタリング会議ではどのような指標を分析しているのでしょうか。
Q:モニタリング会議って何?
モニタリング会議は、毎週木曜日に開催され、前日までの直近1週間の状況と、2週間前の状況を比較して分析しています。医療の専門家としては、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長と、東京都医師会の猪口正孝副会長が中心となって参加しており、「総括コメント」を出しています。
Q:総括コメントとは?
総括コメントは「感染状況」と「医療提供体制」それぞれに対して出されます。このコメントが4段階に分かれているため、「警戒レベルが4段階ある」と言われています。 感染状況については、警戒レベルが高い順に以下の文言になっています。 ▼感染が拡大していると思われる ▼感染が拡大しつつあると思われる ▼感染拡大の兆候があると思われる ▼感染者数の増加が一定程度にとどまっていると思われる 医療提供体制については、警戒レベルが高い順に以下の文言になっています ▼体制がひっ迫していると思われる ▼体制強化が必要であると思われる ▼体制強化の準備が必要であると思われる ▼通常の体制で対応可能であると思われる
Q:警戒レベルが色で表現されることもあるの?
それぞれの警戒レベルは色分けされており、警戒レベルが高い順から赤・オレンジ・黄色・緑となっています。例えば小池知事が会見で「先週と変わらずオレンジ色」などと発言した場合には、警戒レベルが2番目に高い、という趣旨です。
Q:どのような指標を基に分析しているの?
上述の通り、感染状況・医療提供体制ともに、直近の7日間平均と、その前の週の7日間平均を比較しています。 「感染状況」で注視しているのは、(1)新規感染者数(2)東京消防庁救急相談センターでの発熱等相談件数(3)新規陽性者における接触歴等不明者数・増加比――です。 一方、「医療提供体制」は、(1)PCR検査・抗原検査の陽性率(2)救急医療の東京ルール適用件数(3)入院患者数(4)重症患者数――です。 ※都の資料によると、「救急医療の東京ルール」とは、救急隊による5医療機関への受入要請、または選定開始から20分以上経過しても搬送先が決定しない事案