初の「赤信号」点灯 そもそも「大阪モデル」とは?
4つの「ステージ」に分類して感染対策
さらに府では、この大阪モデルに基づき、感染状況に応じて「イエローステージ(警戒)1」「イエローステージ(警戒)2」、そして「レッドステージ(非常事態)1」「レッドステージ(非常事態)2」と4段階のステージを設けて、それぞれ感染拡大防止対策を定めています。イエローステージ1と2は黄信号、レッドステージ1と2は赤信号の点灯時に実施される対策なので、イエローステージは黄信号、レッドステージは赤信号と概ね同義だと捉えてもよいでしょう。感染状況を「警戒」「非常事態」で深刻度を表す大阪モデルに対し、それを踏まえて実際の感染対策を4段階できめ細かく対応するのが各ステージの狙いだといえます。 具体的なステージごとの対策の内容をみてみましょう。イエローステージは警戒のグレードに相当しますが、イエローステージ1では、「3密」の徹底などを府民に呼びかけるほか、イベント主催者・施設にはガイドライン順守の徹底や追跡システムの導入などを要請。学校には授業や児童・生徒の人数とも平常通りで構わないとする一方、合唱など感染リスクの高い活動をする時には感染対策のさらなる徹底を求めます。 次のイエローステージ2では、これらの対策に加えて、クラスターの発生または疑いがあり、かつ感染防止宣言をしていない施設について、府民には出入りの自粛、施設側には休止を要請します。 非常事態にグレードが引き上がったレッドステージ1では、さらにクラスターの発生または疑いがある施設について、必要な場合には休止を求めるほか、府民に対し、そうした施設への出入りのほか、府県間移動の自粛を要請。府や国の主催イベントも開催を自粛します。学校にも分散登校やオンライン授業の実施、合唱など感染リスクの高い活動の中止を求めます。 レッドステージ2では、これまでの対策に加えて、高齢者など重症化や死亡のリスクが高い人が利用するデイサービスやショートステイなどの通所系福祉サービスについても可能な限り利用自粛を求めるなど、対策を一層強化します。 各ステージへの移行もまた、府の新型コロナウイルス対策本部会議で決めます。イエローステージ1から2への移行は「重症者病床の使用率が概ね35%、または軽症中等症者の病床使用率が概ね50%」に達した場合ですが、この基準を満たしていなくても、国や他の大都市と協議し、営業時間の短縮要請など共同で施設の使用制限を実施する場合には移行する場合があります。 なお、最も強い対策を講じる段階であるレッドステージ2への移行基準については、まだ決まっていません。感染防止対策を担う府政策企画部危機管理室の担当者は「今後、レッドステージ1に移行した場合、必要に応じて新型コロナウイルス対策本部会議で議論される見込み」だとしています。