初の「赤信号」点灯 そもそも「大阪モデル」とは?
「イエローステージ2」への引き上げは過去2回
大阪モデル、そしてそれに対応するステージごとの感染対策は、実際にこれまでどう運用されてきたのでしょうか。府では7月12日に、(1)の新規陽性者における感染経路不明者の増加比(7日間平均)が2.16、(2)の感染経路不明者数(同)が13.29、さらに(3)の7日間の合計新規陽性者数が142人、そのうち後半3日間が82人と、3つの指標ですべての基準を満たしたため、黄信号に移行。同時に感染対策についてもイエローステージ1を適用しました。以後、黄信号の解除基準を満たした日はまだありません。
感染対策に関するイエローステージ1から2への引き上げは、これまでに2回あります。1回目は全国的に感染の「第2波」が広がっていた7月31日から8月31日までの期間です。東京や大阪などで感染者が急増したため、国に対して全国の都市部で休業要請の実施を提案したことを踏まえての判断です。この時、府は大阪市の繁華街・ミナミのうち長堀通、千日前通、御堂筋、堺筋に囲まれた区域の接待を伴う飲食店などに対し、8月6日から20日の間、休業や時短営業を要請しました。 その後、新規陽性者数の減少などを理由に9月1日からはいったんイエローステージ1に戻りましたが、「第3波」に突入して重症者病床の使用率が概ね35%以上となったため、11月21日から再びイエローステージ2に。府は府民に対して「5人以上」「2時間以上」の宴会や飲み会の自粛などを呼びかけました。 12月3日には緊急の対策本部会議を開き、重症者病床の使用率70%といった基準は満たしていないものの、医療提供体制がひっ迫しているとして、初の赤信号への引き上げを決定。それに伴い、感染対策のステージもイエローステージ2からレッドステージ1に移行し、吉村洋文知事は、府民に12月15日まで不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。 (取材・文:具志堅浩二)