どこの中銀も「物価安定が目標」日銀・黒田総裁会見7月21日(全文3完)
スタートアップ企業向け支援を検討する考えは
ニッキン:ニッキンの【タダ 01:01:24】と申します。日銀の創業ですとか成長産業支援に対する考え方について伺いたいんですけれども、今後、日本経済ですとか、日銀の金融政策を展望する上で、ベンチャービジネスの育成ですとか、ユニコーン企業の輩出に対するサポートっていうのは結構重要度が増してくると思うんですけれども、決定会合の中でも関連した意見があるようなんですが、政府もこういうスタートアップ企業向けの支援ですとかでギアを一段上げようとする動きが見られる中で、日銀も歩調を合わせてオペですとか、そういう支援スキームを検討・創設をするそういう予定があるのか、もしくは今ある制度で十分対応できるのか、その点について教えていただければと思います。 黒田:これは、もちろん基本的には政府の政策の問題だと思いますけども、できることがあれば日本銀行としてもさまざまな工夫をしていく余地はあると思いますけども、今の時点で何か具体的なことを考えているわけではありません。
悪いインフレに対して日銀は無力なのか
朝日新聞:朝日新聞の原です。よろしくお願いします。 幹事社:これで最後でお願いします。 朝日新聞:今日の展望リポートでは物価のリスクについて、上振れ、下振れ双方の可能性について言及されてますけれども、もしそうであれば、総裁がおっしゃるように、必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和を講じるというのだけではなく、必要があれば追加的な緩和も、追加的な引き締めもするっていうのが素直な説明になると思うんですが、なぜ緩和しか言わないのでしょうか。もしそれが、その理由が、悪いインフレに対しては引き締めはできないということであれば、日銀は悪いインフレに対して、日銀は無力なんでしょうか。 黒田:私は悪いインフレとか良いインフレとか使ったことはありません。ここで言ってるリスクはあくまでも、特に国際商品市況の動向とかなんかが大きく変わった場合には確かに輸入物価の上昇っていうことが、さらなる上昇ってことがありうるわけですので、そこは十分考慮しなくちゃいけないとは思いますけども、そういう場合に金融を引き締めるということではないと思います。 いずれにせよこのフレーズにあるように、あくまでも当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援等、金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移することを想定しているということに尽きると思います。 幹事社:では時間が過ぎましたので、これで終わりとさせていただきます。どうもありがとうございました。 黒田:どうも。 (完)【書き起こし】日銀・黒田総裁会見7月21日