2025年で「遺族年金」が廃止に!?年金の改正に向けて議論されている内容とは
一時期、SNS上で「遺族年金が廃止されるかもしれない」といったうわさが広まりました。遺族年金は年金の加入者や受給中の方などが亡くなったときに受け取れる年金で、もしなくなればその影響は大きいといえるでしょう。 今回は、遺族年金の概要や、実際に遺族年金の改正に関して議論された内容などについてご紹介します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
そもそも遺族年金とはどんな年金?
遺族年金とは、年金を受給中の方や年金保険に加入中の方が亡くなったとき、条件を満たしていれば遺族に支給される年金です。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、それぞれ条件が異なります。 ■遺族基礎年金 国民年金の加入者や老齢基礎年金を受け取る資格のある方が亡くなったときに、遺族へ支給される年金です。受け取れる対象者としては、子どものいる配偶者、子どもが設定されています。 対象者に該当しない方は受給できません。つまり、子どもがいなければ配偶者であっても遺族基礎年金は受け取れないということです。また、子どもが成長して対象でなくなると、子どもも配偶者も対象外となり遺族基礎年金は支給されなくなります。 もし子どものいる配偶者が受け取るときは、生年月日が昭和31年4月1日を境に受給額が変動するので注意しましょう。 以下では、日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)を基に、遺族基礎年金の受給額をご紹介します。 ●昭和31年4月1日以前生まれは「81万3700円+子どもの加算額」 ●昭和31年4月2日以後生まれは「81万6000円+子どもの加算額」 また、子どもの加算額は、1人目と2人目が23万4800円、3人目以降は7万8300円が加算されます。 ■遺族厚生年金 厚生年金保険の加入者や老齢厚生年金を受け取る資格のある方、あるいは障害厚生年金を受給中の方が亡くなったときに、遺族へ支給される年金です。以下では、対象者を優先順位が高い順番に並べてご紹介します。 ●子どものいる配偶者 ●子ども ●子どものいない配偶者 ●父母 ●孫 ●祖父母 さらにこまかく、年齢や条件が定められているため、詳しくは日本年金機構の公式サイトを確認してください。 支給される金額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。報酬比例部分とは、老齢厚生年金額の計算の基礎となる部分を指します。 なお、もし配偶者の方が受け取る場合で、配偶者本人も老齢厚生年金の対象となるときは「亡くなった方の報酬比例部分の4分の3の金額」と「亡くなった方の報酬比例部部分の半額と配偶者自身の老齢厚生年金の半額を足した金額」を比較し、高い方の金額が遺族厚生年金として支給されます。