Jリーグ&NPB「新型コロナ対策会議」の専門家が独自見解「サッカーは濃厚接触ではない」
おりしも2日に元日本代表FW金崎夢生、前日7日にはオーストラリア代表経験のあるGKミッチェル・ランゲラックと、J1の名古屋グランパスから新型コロナウイルス感染が続けて発表された。 金崎の感染が明らかになった直後から、グランパスは活動を再び休止している。所管する保健所から金崎の濃厚接触者と特定された19人は幸いにも全員がPCR検査で陰性を示し、ランゲラックの濃厚接触者はなしと判断された。8日には任意のPCR検査を受けていなかった選手、スタッフ合わせて13人のうち10人の陰性が検査を介して確認され、残る3人も近日中に検査を受ける。 金崎の濃厚接触者は、保健所の指示で最長12日まで自宅待機となる。グランパスの活動再開も最短で13日となり、7月4日に決まっているJ1リーグ戦の再開へ向けて、すでに全体練習メニューの強度をあげている他のクラブとのコンディション差が大きく開くハンデを抱えている。 ドイツのブンデスリーガや、ポルトガルのプリメイラ・リーガが再開。スペインのラ・リーガが現地時間11日に、イングランドのプレミアリーグが同17日にそれぞれ再開されるヨーロッパでも、いっせいに実施されてきたPCR検査を介して、陽性反応を示す選手が少なからず確認されてきた。 例えばブンデスリーガでは再開まで3週間を切った4月下旬の段階で、ケルンの3選手からPCR検査で陽性反応が出ている。それでもケルンは、感染した選手だけを隔離した状態で全体練習を継続。ホームにマインツを迎えた現地時間5月17日の再開初戦を、2-2で引き分けている。 グランパスの活動休止は保健所の指示であり、保健所は濃厚接触者の定義のもと、感染者と最後に接した日から2週間の隔離、という原則に沿って判断している。これがスポーツ界、特にサッカーにおける濃厚接触者の定義をヨーロッパに倣って新設すれば状況が変わってくる。舘田教授が続ける。 「PCR検査を実施しながらですけど、ヨーロッパでは社会を回す、スポーツを動かすという方向に力を入れる戦略に切り替えています。もちろん油断をしてはいけないし、あまりにも緩めてしまって集団感染が起きれば大変なことになる。そのあたりのリスクを把握しながらエビデンスを集め、どこまで緩めても大丈夫なのか、という落としどころを探していくのが私たちの責任だと思っています」