Jリーグ&NPB「新型コロナ対策会議」の専門家が独自見解「サッカーは濃厚接触ではない」
日常生活における濃厚接触者の定義を、ピッチの上でもそのまま当てはめていいものか。新型コロナウイルスを乗り越えて公式戦を再開させる上で、避けて通れないテーマが議論の俎上に載せられた。 Jリーグと日本野球機構が共同で設立した、新型コロナウイルス対策連絡会議の第9回会議が8日に開催。初回から招聘している、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授(感染制御学)を座長とする感染症の専門家チームから、PCR検査体制や運用方法などについてさまざまな意見が提案された。 終了後に行われたオンラインによる会見で賀来座長はJクラブのチームドクターも交えながら「どのような場合に(感染者との)濃厚接触者なのか、という判断をいま議論しています」と明言。 サッカーを含めたスポーツにおける、濃厚接触者の定義を見直していると言及した。 厚生労働省の施設等機関である国立感染症研究所は4月下旬に、それまで感染者に対して「同居あるいは長時間の接触」「適切な感染防護なしに診察、看護もしくは介護」「気道分泌液もしくは体液などの汚染物質に直接触れた可能性が高い」としてきた濃厚接触者の定義に新たな項目を追加している。 「感染者の発症2日前から、手で触れることのできる距離で、必要な感染予防策なしで15分間以上の接触があった者」 手で触れることのできる距離の目安として1メートルが、必要な感染予防策としてマスクがあげられている。新型コロナウイルス対策連絡会議内で特に4つ目の定義が議論の対象になっているなかで、メディアブリーフィングでは専門家チームの一人で、政府の専門家会議メンバーにも名前を連ねる東邦大学の舘田一博教授(日本感染症学会理事長)が、必聴に値する個人的見解を示している。 「サッカーのプレーや試合が、果たして濃厚接触に当たるのかどうか。個人的には当たらないと思っています。もちろん瞬間的な身体の接触はあるわけですけど、それが1メートル以内で、マスクをつけずに15分間以上話すのと同じぐらいのリスクなのかどうか。この点に関しては、そこまで(厳密に)やる必要はちょっとないのではないか、と」