広がる波紋…なぜポルト中島翔哉はポルトガルリーグ再開もチーム合流を拒否したのか
ポルトガルを代表する名門、FCポルトの「10番」が敵地のピッチに立つことはなかった。ベンチで出番を待つリザーブのなかにも名前を連ねていない。約3カ月に及んだ中断期間をへて待望の再開を迎えた一戦を、日本代表でも「10番」を背負うMF中島翔哉は自宅で見届けていた。 新型コロナウイルスの影響を受けて、3月8日を最後に中断していたポルトガル1部リーグ、プリメイラ・リーガが現地時間3日に再開。2シーズンぶり29度目の優勝を目指す首位のポルトは敵地でFCファマリカンに1-2で競り負け、今シーズン3つ目となる痛恨の黒星を喫した。 昨夏にアル・ドゥハイルSC(カタール)から加入した中島が、プリメイラ・リーガでベンチ外となるのは通算6度目となる。年明け早々に3試合連続で外れたときは右足の故障が原因だったが、今回はシーズンが始まった直後に外れた2試合と同じく、けがとは別次元の理由があった。 スポーツ紙の『A BOLA』を含めたポルトガルのメディアは、ファマリカン戦前日の段階で中島の欠場を伝えている。報道によれば5月中旬に体調を崩した夫人を看病するために、中島は全体練習の初日に参加しただけで離脱。自宅で個人練習を積みながら、夫人に付き添っているという。 自宅での個人練習はイコール、国内がロックダウンされていた5月上旬までの状態に逆戻りしたことを意味する。全体練習を積み重ねてきたチームメイトたちとはコンディション面で大きな差が生じていて、ポルトのセルジオ・コンセイソン監督もファマリカン戦前日の会見でこう言及していた。 「ナカジマはグループとともに練習を積めていない。なので、彼は明日のグループに入っていない」 夫人は呼吸器系の疾患に罹ったと報じられている。全土で発令されていた非常事態宣言が先月3日から災害事態宣言に切り替わり、経済活動や社会文化活動などに課されていた制限が段階的に緩和されていた時期だったが、ポルトガル国内で新型コロナウイルスが終息したわけではない。