新型コロナ禍ショック…なぜJ3開幕を目前に久保建英、中島翔哉を輩出したFC東京U-23は参加辞退を決めたのか?
新型コロナウイルスが予期せぬ事態を引き起こした。Jリーグは5日に開催した臨時理事会で、今月27日に開幕するJ3リーグからFC東京U-23が辞退することを承認した。ホームゲームの開催スタジアム確保が難しくなった状況を受けて、FC東京が急きょ参加辞退を申し入れていた。 同日夜にはFC東京を運営する、東京フットボールクラブ株式会社の大金直樹代表取締役社長がオンライン形式で緊急会見。新型コロナウイルスの影響でJ3の開幕目標が何度も変更され、最終的には4カ月近くも遅れる状況が、森保ジャパンに名前を連ねるMF久保建英(RCDマジョルカ)やMF中島翔哉(FCポルト)らもプレーしたU-23チームの参加辞退につながったと説明した。 「開幕後のJ3の日程が相当過密になってきますが、サッカーだけでなく他の競技でも、都内のスタジアムは使用頻度が非常に高い。そこと競合していかなければいけないなかで、ホームの試合会場を調整し、確保していくことが困難であると判断せざるをえませんでした。私どもの育成年代を応援していただいてきたファン・サポーターの方々の期待を裏切ってしまう形になって本当に申し訳ありませんが、物理的なところでどうしようもなかったことをご理解していただきたいと思っています」 5000人以上の収容人員などを含めた、J3基準を満たしたスタジアムは東京都内で限られている。昨シーズンまでの戦いを振り返れば、FC東京U-23は味の素フィールド西が丘をメインに駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場、江東区夢の島競技場を併用してホームゲームを開催してきた。 3月7日に開幕する予定だった今シーズンも、3つのスタジアムを舞台にしてJ3リーグを戦う日程を組んでいた。しかし、予想をはるかに超えてJリーグの中断期間が長引き、予約を入れては取り消す作業が繰り返される間に、東京オリンピック・パラリンピックが来夏へ延期されることも決定。スタジアムを新たに確保する作業が、にわかに逼迫してきたと大金社長は舞台裏を明かした。