「全社横断で品質マネジメント体制を構築」日野自動車会見8月2日(全文4)
技術力がないのではないか
日経クロステック:日経クロステックの近岡と申します。先ほど私のほうから調査委員会の調査甘くないですかっていうことを申し上げたら、そうではないと言われました。中身を見ろと。で、中身を見てみると、私は今回この事件、このトラブルが起きた根本的なところって、技術力がないからじゃないか、技術力が不足しているからじゃないかっていうふうに思いました。それで、先ほど調査委員の方に質問したところ、いや、技術がないんじゃないと、開発プロセスの問題であり、マネジメントの問題であるというふうに言われました。 ところが今、報告書の中に、社員の方の声だと思うんですけど、日野には技術があるという根拠のない妄信やって書いてあります。つまり技術があるとは思えないということを吐露されてるんだと思うんです。また、先ほど小木曽さんのご説明に、現場に余力なし、人材育成後回しっていう言葉もありました。ていうことは技術力がないということなんじゃないかなと思います。どっちが正しいんですか。 小木曽:ご質問に答えさせていただきます。不正行為と技術力ということを少し整理してご回答させていただいて、ご質問の趣旨に合うかどうかを少し確認いただきたいんですけど。さまざまな、これ、2003年からですので、長期にわたって排ガスおよび燃費の規制を対応するところで日程等、スケジュールも間に合わず、不正が働かれてしまったということでございます。やはり技術というのは開発しながらチャレンジしていくものですから、ご質問の趣旨をよく理解しようとすると、おそらくそのハードルを越えれるか越えれないかというところで、そこで技術力、人材力が試されるんだと思います。
エンジンに関する技術力は一定レベルある
今回、まず最初に申し上げなければいけないのは、チャレンジして成功する場合もあれば成功しないこともございます。エンジニアを育てるときには、時々ありますけれども、失敗からも学べということをよくいわれます。失敗したときにルールを破って不正をしていいのかっていうとまったく違う問題でございますので、冒頭申し上げたかったことは、調査委員会報告に書かれてる中でいくと、やはり不正が起きてしまったことというのは事実としてパワートレーン実験部という部隊員の中に問題が閉じ込められて、日程がうまくいかないということが起きたときに、正直に日程を変えるだとか、役員とか上位に上げるということができなかったことがやはり、会社として、経営として直接関与は認められてないんですけど、大きな責任であったんじゃないかということでございます。ここに対して、冒頭、私の説明、拙い説明の中でもございましたとおり、深く責任を感じております。 一方で日野に技術力があるのかどうかということでございます。こちらは、やはりこれだけのお客さま、80年の歴史の中で、エンジンに関する技術力は一定レベルあると思います。ただ、これを伸ばしていく、成長させていくためには、やはり成功したときには成功し、失敗したときには失敗を正しく認め、全社で共有をし、そして、例えば失敗した場合はやり方がまずかったのか、人の育成は十分だったのか、職場では何が起きていたのか、これを進めるべきだったと思います。この部分につきましては、最近の機関の中で置くと、職場の環境がそれほど良い状態にあったとは、報告書を見ていただければ残念ながら言えず、この部分で成長のスピードが鈍ったり、後輩の育成が十分できていなかったことは、おそらくあり得ると思います。 ですので調査委員会の説明、真因というところについては、これらについてわれわれがしっかり真実に向き合い、正していくかということになると思います。すいません、少し長く話をさせていただきましたが、趣旨に合ってますでしょうか。