JOC山下泰裕会長が会見(全文3完)たたくなら選手ではなく私を
日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は28日午後、外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を行った。 【動画】JOC山下泰裕会長が会見 東京五輪のコロナ対策は?(2021年6月28日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「JOC山下泰裕会長が会見 東京五輪のコロナ対策は?(2021年6月28日)」に対応しております。 ◇ ◇
国民からの声援が力になっている
山下:それから、正直言いまして選手たちは国民やマスコミからのやっぱり批判、怒りの的になるっていうことは非常に恐れていると思います。私事で申し訳ないですけど、41年前のモスクワオリンピック、日本はボイコットしましたけど、これ、2カ月半ぐらい前に、当時、私一緒に住んでいた、私が大学院生のときの友人が私に連絡してきて話してくれました。思い出しました。激励の手紙がたくさん私のところに来る中に1通、私の言動に対して非常に批判的なものがあった。アフガニスタンでは多くの人が尊い命を落としている。そういう現状も理解しないで、あなたは自分の好き勝手、自分のことだけ考えてやっていると。わがままもいいかげんにしろと。こんな内容の手紙。私は立ったまま、手を震わせながらそれを読んでいたと。そして、泰裕、翌日からのおまえのやっぱり練習に打ち込む姿勢に何か元気がなかったよって、そんなことを2カ月半ぐらい前に話をしてくれました。 いつも多くの選手たちは国民からの声援を受けて、そしてやはりそれが力になってやってきている。しかし今回そういうところ、練習に打ち込んでいいのか、ワクチン接種するのがわがままじゃないのか。そういうふうな、選手たちにそういう思いを持たせたというのは、日本オリンピック委員会の会長として非常に私は責任を感じております。役割を果たしてこれなかったと思うと。彼らや彼女たちが受けるべき責めではなくて、それはわれわれ日本オリンピック委員会が受けるべきものであったと思っております。そんな選手たちを守り切れていない。一部の選手に対しては、やはり私と同様に心ないメッセージが届いていると。この場を借りてまたお願いしますけど、選手たちにそういう働き掛けをするのはやめてもらいたい。たたくんだったらJOCを、JOC会長の私を、あるいは組織委員会をたたいてほしい。 多くの選手にとってはオリンピック、一生に一度が多いです。そして1980年のモスクワオリンピック、日本はボイコットしました。当時のアスリートたちで、今でもその傷を癒やせない人たちがたくさんいます。1984年のロスのオリンピック、東側の国の人たちが参加できませんでした。その後、交流する機会がありましたけど、東側の国々の人たちも当時、2010年に会って交流しましたけど、心の傷を持っていました。彼らには、彼女たちには、なんの責任もないです。そこだけはご理解いただきたいと思っております。よろしいでしょうか。