武藤氏「大会関係者は観客ではない」 上限に含まず、開会式“2万人”報道否定
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長と武藤敏郎事務総長は21日、記者会見し、政府、都、IOC、IPCとの5者協議で観客上限が全会場で「収容定員の50%以内で1万人」とすることで合意したことを明らかにした。一方、「大会運営に関係する人たちというのは、主催者であって、観客でないという観点から1万人とは別途(として)考える」と述べ、上限とされた1万人とは別枠で大会関係者が入ると語った。 【動画】東京五輪、観客上限「50%以内、1万人」 組織委が会見
その後の会見で、五輪開会式の上限が2万人になるのではと一部で報じられたことについて記者から質問され武藤事務総長は「一部の報道に2万という数字があったことは私も承知している。しかし、いま精査中で具体的な数字までは申し上げにくいが、それよりは明らかに少ない数字になるだろう」との見解を示した。 質疑の中で、武藤氏事務総長は「大会関係者」について「IF(国際競技連盟)やIOC(国際オリンピック委員会)の関係者と、キークライアント。この方々は大会の運営関係者ということであり、観客ではない」とも語っていた。 政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長ら感染症専門家は先週、「無観客開催は、会場内の感染拡大リスクが最も低いので、望ましいと考える」などとする提言を政府や組織委に出している。
「学校連携観戦プログラム」も別枠に
この日の5者協議では、五輪やパラリンピック会場のある東京などの小中学生に観戦してもらう「学校連携観戦プログラム」も、1万人の観客上限とは別枠とすることが合意された。 その理由について武藤事務総長は「延期になる前からだが、東京大会を開催する意義を考えた時に、若い世代、次の世代に感動を体験していただく。64年当時もいまだにそれを見た人が一生の思い出として語り継いでいる。大会の意義を小中学生に伝えていくことが大事だ」と述べた。「これは動員をかけるものではない。教育委員会や学校の判断で見に行きたいという場合に適用される」とも強調し、「そうであるとすれば、全体の枠の中でふるい落とすのではなく、別枠で扱うのが妥当ではないか」とした。