「ピクニック気分? いや~、なかった!」青学大・原晋監督が戦慄…箱根駅伝で“異次元の区間新”駒大・佐藤圭汰の衝撃「(状態は)80%ぐらいです」
「ピクニック気分? いや~、なかった!」 101回目の箱根駅伝で連覇を達成したレース後にもかかわらず、青学大の原晋監督は正直にそんな心境を吐露していた。 【レア写真】来年から駒大の大エース・佐藤圭汰の練習パートナー「超意外な選手」はこの人&佐藤の箱根での大爆走…「そんな、謝るなよ…」山の5区を激走して疲労困憊の往路アンカー山川“TVに映らない”ゴール後の様子も見る 「普通のランナーだったらね、あそこでピクニックランになるんですけど……」 4分7秒――6区を終えた時点での、先頭の青学大と3位の駒大との差だ。 駒大は、2年ぶりに6区を走った伊藤蒼唯(3年)が歴代5位の好記録で山を下り、4位から3位に浮上した。しかし、伊藤をはるかに上回る区間新記録の走りを青山学院大の野村昭夢(4年)が見せ、青学大は首位固めに成功。駒大の王座奪還への道は閉ざされ、原監督の予告通りに、復路は青学大の“ピクニックラン”になるのだろうと誰もが思った。
7区に起用された駒大の「スーパーエース」
だが、ことはそう簡単に進まなかった。原監督がいうところの「普通のランナー」ではない大エースが、指揮官の表情を曇らせたのだ。 それが7区に起用された駒大の3年生・佐藤圭汰だった。 「あんまり満足した練習を積むことはできなかった。(状態は)80%ぐらいですかね」 佐藤は昨年4月と9月に2度、恥骨を疲労骨折し、練習を再開したのは10月中旬だったという。強度の高い練習に復帰できたのは11月のことだった。 「恥骨って本当に厄介なケガで、1回は治ったんですけど、もう1回再発してしまって。このケガはずっと治らないんじゃないかという絶望的な思いで過ごしてきました」 佐藤は、走れなかった期間の心中をこう吐露する。 今回の箱根が、昨年3月にロサンゼルスで行われた1万mのレース「The TEN」以来10カ月ぶりの実戦復帰だった。にもかかわらず、従来の区間記録を57秒も更新する1時間0分43秒の新記録を打ち立てた。 「最初は下りなのであまり突っ込んで入るのではなく、後半に上げていく予定で走りました。良い感じのペースで走れて、ずっと余裕を持って走ることができた。区間新は絶対に出すというのを目標にしていて、最低でも1時間(0分)台は出したいなと思っていたので、その目標は達成できて良かったと思います」 佐藤にとっては狙い通りの区間新記録。先頭を走る青学大との差も、一気に2分27秒も詰め、1分40秒差とした。距離に換算すれば約600m。直線で目視できる差にまで迫った。見事なゲームチェンジャーぶりだった。 「ラストの絞り切らないといけないところであまり上げられなかったのは、まだまだ練習不足だと思いました」 これほどの快走にも佐藤は反省を口にしていたが、チームはレッドゾーンから脱出し、わずかながらも逆転優勝に望みをつないだ。8区以降を任された、初めて箱根路を走る2年生にも勇気を与えただろう。 「圭汰は(状態は)8割で、まあまあ良い仕上がりだったので区間新ぐらいまではいくかなと思っていたけど、まさかここまで上がってきたかと……。あれが良い流れになったね。2年生も我慢してくれた」 佐藤の激走は、指導する大八木弘明総監督の想像をも上回っていた。
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