東京五輪が感染拡大に与えた影響は? 尾身会長が見解
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は12日の会見で、8日に閉幕した東京五輪が今の感染拡大に与えた影響について記者から問われ、見解を語った。 【動画】尾身会長が会見「東京の人流を5割削減」分科会が対策強化を提言
人流という観点では「影響あった」
尾身会長は、感染力が強いとされるデルタ株の広がりに加え、夏休みや4連休、お盆など夏のイベントが続いたことから、「今の感染拡大は五輪の開催前から上げる要素がたくさんあって、そのことが起きた」と述べた。 さらに「統計を取ったわけではない」としながら、マラソンや柔道、バレーの会場でいくつかあった感染が「今の感染拡大に影響しているということは絶対にない」と説明。 ただ、人流という観点からみると「五輪開催が人々の意識に与えた影響があったかなかったかという議論、それは私たちはあったと思う」との見方を示した。 尾身会長らは6月18日に専門家有志として、五輪開催の感染拡大リスクに関する提言を発表している。そこでは「会場内での感染拡大リスクが最も低い無観客開催が望ましい」と訴えたほか、「『感染対策を緩めても良い』という矛盾したメッセージになるリスクが発生する」との懸念も表明していた。 8月24日に開幕する東京パラリンピックの開催については、「普通に考えれば、どんどん感染がひどくなったときにパラリンピックをどうするか、当然、組織委員会や政府は考える」と述べた。