感染リスクが“高い場所”と“低い場所” 尾身会長、人流5割減で「必ずいい結果」
政府コロナ分科会の尾身茂会長は12日、記者会見し、感染力が強いとされるデルタ株について「確かにいままでよりも感染力が強いというふうに、色んな状況証拠がある」と説明し、東京都に4度目の緊急事態宣言が出された7月12日以前と比べ、人流を5割削減する必要があると訴えた。「ウイルスは非常に強力だが、(人と人の)接触の機会が減れば必ずいい結果が出る」と強調した。
尾身会長は、「目安としては買い物に行く機会、混雑した場所に行く機会をなるべく5割(にしてほしい)。1日4回行くなら2回にする。週4回行くなら2回に。そういうことを意識してやっていただきたい」と語った。さらに「感染リスクが高い場面を徹底的に回避」することが重要だと語った。 では、「感染リスクが高い場面」とはどのような場面を指すのだろう。 尾身会長は▼普段から一緒にいない人との飲食や会合▼長時間・大人数が集まる場面▼混雑した場所、時間帯▼休憩室、喫煙所、更衣室でのマスクを外した会話――を挙げた。 政府分科会は昨年にも「感染リスクが高まる5つの場面」を提示している。その時に示されたのは(1)飲酒を伴う懇親会など(2)大人数や長時間におよぶ飲食(3)マスクなしでの会話(4)狭い空間での共同生活(5)居場所に切り替わり――だった。 会見で、尾身会長は「前とあまり変わらない。こういうところでいまも起きている。(ウイルスの)感染力が強くなっても起こる場所はこういうところ」と強調した。
リスクが高い施設、低い施設
尾身会長は「最近になってクラスターが起きたことがはっきり分かっている場所を中心に、例えば百貨店のデパ地下やショッピングモールなど」と具体的な場所を挙げた。理由としては、「ショッピングセンターは電車の中とは違っておしゃべりをする。売り場の人も『買ってくださいよ』と活気がある。なかにはマスクを外す人もいる。都心のデパートの地下はかなり混んでいる」と語った。 デパートやショッピングセンターでの具体的な対策については「時間制限するのか、人数制限するのか、一時期閉鎖する(のか)というのは国と自治体が色んな議論をしていると思う。どうなるか私はまだ分からない」と述べた。 逆に、どのような施設であれば、比較的リスクが低いのか。 尾身会長は「社会を全部止めるわけにはいまの状況ではなかなか難しい。例えば、映画館に静かに行く、公園に行く、図書館(に行く)、声を出さないコンサート、こういうところは感染症対策を気を付けていただければいいのではないか」と話した。