感染急増「制御不能な状況」 東京都コロナ会議で専門家
東京都は12日、都内の新型コロナウイルスの「感染状況」や「医療提供体制」を専門家らが分析・評価する「モニタリング会議」を開いた。会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規の陽性者数が急増している。制御不能な状況だ。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態で、この危機感を現実のものとしてみんなで共有する必要がある」と訴え、危機感を露わにした。 【動画】東京都がモニタリング会議 感染急増「制御不能な状況」
新規陽性者数(7日間平均)は8月4日時点の約3443人から約3934人に増加。増加比は約114%で、「依然として高い水準」だと訴えた。また、2週間前に比べると、新規陽性者数の7日間平均は約1936人から倍増していると述べた。 1日の感染者数に関しても「第3波の過去最多を大幅に超え、8月5日には5001人に達し、過去最多に達した」と説明した。 都は11日、感染者が新たに4200人確認されたと発表した。入院患者のうち重症者は前日より21人増え197人となり過去最多を更新している。
五輪応援「密集・密接」は感染リスク
大曲氏は、外出してオリンピックを応援する人にも警告を発した。「感染リスクが高いにもかかわらず、オリンピック競技場の周辺、沿道では大勢の人が集まり、応援する姿みられた。いま一度、屋外であっても密集・密接することは感染リスクが高いことを啓発する必要がある」と語った。 また今週に入ってから、保育園や学童クラブ、部活動、大学での感染事例が多数報告されているとも指摘。「引き続き若年層への感染拡大に警戒が必要だ」と述べた。