なぜJ1川崎Fの中村憲剛は301日ぶり復帰試合で円熟ループを決めることができたのか…「等々力に神様がいた」
憲剛のゴールの2分後には三笘が今シーズン6点目をゲット。3試合ぶりとなる白星に、大量5ゴールをあげて花を添えた。2位のFC東京に勝ち点で10ポイント差をつけて、首位を快走するフロンターレの中心で笑顔を輝かせる憲剛に、鬼木達監督も思わず目を細めている。 「トレーニングのときからいい状態でしたけど、やっぱりもっているんだなと思いますよね」 10月には40歳になる大黒柱が満を持して復帰し、リーグ全体で群を抜く41得点を叩き出している選手層がますます厚くなる。ここまでフロンターレをけん引してきた後輩たちに割り込むには、まだまだ時間がかかると前を見すえた憲剛は、ピッチに戻ってきた喜びをあらためてかみしめた。 「サッカーは楽しいと、等々力は最高だとかみしめることができたのが一番嬉しい。一日一日を積み重ねながらここまで来られたけど、ピッチに戻ることがゴールではなく、ピッチでチームに貢献することをスタートラインにしなきゃいけないと強く思ってきた。点を取ったことで次節以降のハードルがちょっと上がっちゃいましたけど、それでもいままで積み重ねてきたものを出せたと思っています」 2シーズンぶり3度目のリーグ戦制覇へ。憲剛の復帰で「完全体」となったフロンターレが心身ともに力をみなぎらせ、J1戦線をフルスロットルで駆け抜けていこうとしている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)