10試合34ゴールでJ1新記録の10連勝…川崎フロンターレ無敵の得点能力のなぜ?
難攻不落だったはずの挑戦者をいとも簡単に、なおかつ完膚なきまでに粉砕した。 キックオフ前の時点でリーグ最多の29得点をあげている川崎フロンターレと、同最少の6失点と堅守を誇るセレッソ大阪。最強の矛と盾が激突した頂上対決は、攻撃陣が爆発したフロンターレが5-2の逆転勝利をゲット。J1新記録となる、単一シーズンにおける10連勝をマークした。 フロンターレのホーム、等々力陸上競技場で19日に行われた明治安田生命J1リーグ第11節。首位を快走するフロンターレを勝ち点7ポイント差の2位で追うセレッソの激突は、開始わずか7分、DF丸橋祐介のスルーパスに抜け出したFWブルーノ・メンデスの一撃で後者が先制した。 先制すればここまで6戦無敗。2シーズン目の指揮を執るスペインの知将、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督に植えつけられた緻密なポジショニングのもと、堅守に磨きをかけているセレッソが握ったかに映ったゲームの主導権は、21分にあっさりとフロンターレへと移った。 セレッソが築く城壁に風穴を開けたのは、川崎フロンターレU-18から阪南大をへて愛着深い古巣でプロになった25歳、3年目の攻撃的MF脇坂泰斗の右足に宿る正確なキックと観察眼だった。 ペナルティーエリアの左角付近で、DF松田陸のハンドで獲得した直接フリーキックのチャンス。ボールをセットしながら、今シーズンから「8番」を背負い、開幕からすべてのJ1リーグ戦に先発してきた脇坂はセレッソの守護神、キム・ジンヒョンの一挙手一投足へ視線を送った。 「キム・ジンヒョン選手は僕が中(の味方)に合わせるのを狙っているような立ち位置でしたし、間接視野で動きをずっと見ている間にも二歩、三歩と少し前へ出てきたので。そこで直接狙おうと思いましたけど、狙う素振りを見せちゃいけないと思ったので、ゆっくりと味方に合わせるような助走から、インパクトにだけ注意して蹴りました。狙い通りでした」 元韓国代表の33歳は角度的にも、脇坂が直接狙って来ないと読んでいた。実際、脇坂が右足をボールにヒットさせた瞬間、ペナルティーエリア内へ飛び出していく動きを見せている。神経戦と心理戦で上回った脇坂の一撃はキムの逆を突き、左ポスト際をすり抜けてネットを揺らした。