なぜラグビー日本代表は敵地のアイルランド戦に5-60と完敗を喫したのか…新主将「残念という言葉だけでは表現しきれない」
攻めても好機を逸した。 前半31分、グラウンド中盤右のラインアウトから、深い角度のパスを繋ごうとする。しかし、その軌道に計ったような圧をかけられる。アイルランド代表のアウトサイドセンター、ギャリー・リングローズに好タックルをお見舞いされた。 まもなくペナルティーキックを与え、自陣22メートル線付近左でのラインアウトモールから逆側のスペースを突っ切られてしまう。ここで0-29。 かたや接点の周辺へ突っ込んで前に出ようとすれば、そのエリアで待つ大型選手に跳ね返された。日本代表のスタンドオフで先発の田村優は、「なかなかアタックしづらい試合だった」と潔い。 「分析(された)というより、(日本代表に)勢いが出なかったので(守る側にとって的が)絞りやすかったと思います」 自ら蹴ったハイパントの再獲得から一気に攻めようにも「相手のエスコート(キックを追う選手の進路を巧妙に塞ぐ動き)もあり、自分たちのキックの再獲得ができなかった」と田村。日本代表が、本来の魅力的な攻めを示しかけたのは、0ー41とされた後半16分以降に選手を大きく入れ替えてからのこと。対応が遅れた。 ペナルティーマネジメントでも後手を踏んだ。日本代表が気圧されるまま反則を取られる傍ら、アイルランドの主将であるセクストンは、レフリーのニカ・アマシュケリ氏に首尾よくアプローチしていた。 振り返れば、日本代表前主将のリーチ・マイケルは2015年のW杯イングランド大会で3勝した際に「(勝った試合では)レフリーとのコミュニケーションがよく取れた」と総括したものだ。 その役目を担うラブスカフニは「レフリーとのコミュニケーションは問題なかった。レフリーがどうこうというより、自分たちのことに目を向けなければいけない」と前を向くが、平時フランスでプレーする松島は、こう直感した。 「レフリーにプレッシャー、というわけではないですが、しっかりと話すべき時もある。そういったことも、今後は(留意して)やっていかないと」