日本にはたった47人しかいない、チャイルド・ライフ・スペシャリスト。病気の子ども・家族・きょうだい児の心の支えに【体験談】
国内でCLSの資格を取れるようになれば、小児医療の質の向上につながるはず
――アメリカでは、CLSは「質の高い小児医療のためには欠かせない要素」と言われているそうですが、日本ではまだ限られた病院にしか配置されていません。 石塚 2024年1月現在、日本国内のCLSは47人。35の施設で勤務しています。微増を続けていますが、まだまだ全然たりません。CLSという職種があることを、一般の方にはあまり知られていないのではないかと思います。 ――日本には、CLSの専門課程がある教育機関がないと聞きました。 石塚 そうなんです。CLSの認定試験の受験資格を得るには、北米の大学・大学院で学ぶ必要があり、現地での600時間のインターシップも必須。私は日本の大学を卒業後、アメリカの大学院で勉強し、インターシップを経験しました。 今後、日本でもアメリカと同等の教育体制が整い、国内で資格が取得できるようになったらいいなと思っています。それによって小児医療の質の向上も期待できるでしょう。CLSとして働く身としても、子育て中の母親としても、そういう日が早く来てくれることを願っています。 お話・監修・写真提供/石塚愛さん 取材・文/東裕美、たまひよONLINE編集部 入院・通院する子どもたちを支援するだけでなく、きょうだい児や、病気を患う親を持つ子どもにも寄り添うCLS。子どもたちの笑顔のために、日本の病院でも増えていくことを期待したいです。
石塚愛さん(いしづかあい)
PROFILE 2015年青山学院大学教育人間科学部心理学科卒業。2017年アメリカ・カリフォルニア州のMills College MA in Child Life in Hospitals卒業、修士号取得。同年Certified Child Life Specialistの資格取得。2018年1月から横浜市立大学附属病院にて、チャイルド・ライフ・スペシャリストとして勤務。夫、1歳4カ月の息子との3人暮らし。神奈川県二宮町出身、横浜市在住。 ●記事の内容は2024年12月の情報であり、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部