シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
AQUOS R9 proは「本当にカメラを作った」といえるインパクトを追求
―― 同時に発表されたAQUOS R9 proにも驚きました。AQUOS R9のときになかったので、今年(2024年)はてっきり見送ったのかと思っていました。デザインも機能も振り切っていますね。 中江氏 本当に振り切った感じにしました。勇気がいる決断ではありましたが、「本当にカメラを作った」と言われるぐらいのインパクトを突き詰めていったら、この形になりました。 清水氏 20万円ぐらいのスマホを誰が買うのか、ということもあります。これができたのはAQUOS R9の存在も大きく、ハイエンドの要素を持ったいわゆる普通のハイエンドスマホがあったので、その上の20万円のものはもっと振り切ることができました。スマホの可能性を先に進めるのが、フラグシップモデルの役割です。では、その次は何かというときに、今までやってきた1型センサーの資産を掛け合わせてカメラ超えを目指しました。デザインした三宅(一成)さんには、カメラコンセプトで提案をお願いしますと言ったところ、この形が出てきました。 中江氏 カメラリングの部分は、もっとスマホっぽくボカしたデザイン案もありました。ただ、それだと箱を開けた瞬間の驚きがない。一番のフラグシップは、「おっ」と思われる驚きが重要な要素だと思っているので、こちらに決まりました。 ―― 競合だと、Xiaomiも「Xiaomi 14 Ultra」がカメラ風のデザインでした。発売タイミング的に見て、偶然重なってしまったのだと思いますが、やはりカメラ重視だとこうなるのでしょうか。 清水氏 デザイン上、横持ちが正解というのがパッと見で分かります。細かいところだとロゴの向きもそうですし、AQUOS R9 proは背面の左側面にデジタルカメラっぽい余白もあります。縦にすると左右非対称になるので、そちらを上にして横持ちするということが分かります。このパーツも、途中までアルミでパネルを作っているので段差ができ、内部構造的には難しくなるのですが、それをあえて加工しています。 また、カメラリングはダイヤカットされていますが、ここも使っているうちにつぶれてしまわないよう、平面を持たせてそこが接地するようになっています。AQUOS R9 proにはAQUOS R9とデザイン言語を一緒にしたサンプルもありましたが、やはり何かが違う。ガジェットが好きな方向けという役割のものなので、根底の考え方はキープしつつも、届ける方の違いをデザインで表しています。 ―― 大型のシャッターキーがちゃんと付いているのは、AQUOS R9 proならではですね。 清水氏 ここのくぼみも、横持ちしたときに指が自然に当たるようにしています。半押しももちろんでき、ボリュームキーを使ったズームの調整もできます。この設定は変更もできます。個人的なお勧めは露出の調整で、ズームよりそちらにした方が使いやすいですね。