「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文7完)未来は小惑星資源の有効利用も
次に挑戦したいことは
宇宙作家クラブ:宇宙作家クラブの【ワタベ 03:07:55】です。カプセル回収おめでとうございます。津田先生に質問なんですけれども、大変大きな仕事を終えたばかりでこんな質問をするのはちょっと恐縮なんですけれども、今回の「はやぶさ2」の成功を受けて、今現在、次はこんなことしたいなとか、こんなことに挑戦したい、みたいなのがあったら、夢がありましたらぜひお聞かせいただけるとうれしいです。 津田:いろいろ思い付くんですけれども、今、一生懸命考えなければいけないなと思っているのは、ちょっと先ほどの話と重なりますけれども、「はやぶさ2」が小惑星で滞在中に得たいろんな技術的な進歩ですね。これをどうやったら次のミッションに生かせるかっていう観点です。 これは、生かす先っていうのは、例えばもっと遠方の、あるいはもっと大きい小惑星なんかが考えられますし、あるいは火星とか、あるいは木星の、木星や土星に衛星がありますけど、こういうところからサンプルを持ってくるような技術に使える部分があるなというふうに思ったりしています。 こういう、今まで誰もやったことなくて、でも科学者が手を付けたがっているところっていうのは、幾つか領域があって、そこにわれわれが2018年にやったことがどうふうに生かせるかっていう観点で考えています。 宇宙作家クラブ:ありがとうございます。 司会:ありがとうございました。オンラインで1つ、ご質問を受けております。NHKの水野さん、聞こえていますでしょうか。 NHK:聞こえますか。 司会:はい。よろしくお願いいたします。
限られた予算でミッションを成功させる鍵は
NHK:今回のミッション成功おめでとうございます。NHKの解説の水野です。小天体探査、これで日本が大きく世界をリードしたということになると思うんですけれども、ただほかの国も結構追い上げしていまして、NASAはベンヌから岩石採取をしたということで、ただアメリカは例えば、きのう國中さんのお話にもありましたけれども、1000億円を掛けてやっていると。 日本はなかなかそこまで予算を掛けられない、低予算の、限られた予算の中でミッションを遂行させていく、成功させる鍵はいったいなんなんでしょうか。人なのか、あるいはどんな技術的な工夫をして、低予算でこういった探査機ながらも、こうやってうまくさせていく、そこら辺の鍵を教えていただきたいんですが。 國中:私はやっぱり技術開発だと思います。イオンエンジンなり、というそういった挑戦をした上で、500キロ以内、600キロ程度で探査機が仕込めるようになったっていうことが、1000億円ではなくて300億円でできるという、大きな結果だと思います。より遠くに出掛けていくために、たくさんの問題があるわけで、そこを解決するような新たな技術開発というのを今後も実施していかなければ、やはり米国やヨーロッパと同じように1000億円を使わなければ、そういったところに行けなくなると思います。新たな技術開発、必要な新たな技術開発というのが、目指すべきわれわれの方向だと思っています。