「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文7完)未来は小惑星資源の有効利用も
低コストでやれることはまだある
津田:私は、まず太陽系探査っていう意味ではリュウグウもベンヌもそうでしたけど、火星よりも内側で、結構地球に近い位置の天体を探査したことになりますが、これ、われわれロケットの能力という意味では、日本が持っている技術というのは、木星とか、それから土星とか、さらにその先にも届くことができます。それはロケットだけの能力ではなくて、軌道設計を工夫するとかいうことなんですが、「はやぶさ2」クラス、あるいはそれよりも小さいクラスでも、そういうところに届く、物を届けるというところまではできる、そういう技術は持っていると思います。 だけど、そこで十分なアクティビティができるか。行っただけじゃ駄目で、ただ通り過ぎて写真を撮ればいい科学ができるって世界では、今なくなっているので、実際到着して、そこでもう「はやぶさ2」が見せたような面白い探査をするとか、着陸とは限らなくても、そういう深い科学をやっていくためには、現地できちんとアクティビティをするための能力というのが必要で、それは高効率の電源であったり、軽量の太陽電池であったり、これは米国でいうとRTGっていう原子力熱電対なんですけれども、こういうものがないわれわれとしては、そういうところを持てば、十分できるんだと思います。そういう小型だけども遠くへ飛ばすということを組み合わせることで、実はまだわれわれ、低コストでやれる範囲はあるんだというふうに思ってます。 NHK:ありがとうございます。 司会:水野さん、どうもありがとうございました。それでは大変長い間の、長い時間、またたくさんのご質問をいただきましてありがとうございました。これをもちまして、小惑星探査機「はやぶさ2」再突入カプセル帰還後記者会見を終了させていただきたいと思います。お付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。 (完)【書き起こし】「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見