F1参戦2戦目を検証…なぜ角田裕毅はミスを連発させたのか?
3月にバーレーンで行われた開幕戦で9位入賞を果たし、日本人F1ドライバーとして史上初となる「デビュー戦での初入賞」を飾った角田裕毅(20、アルファタウリ・ホンダ)。しかし、4月16日から18日にかけて、イタリア・イモラで開催されたエミリア・ロマーニャGPでは一転、クラッシュやスピンを喫し、予選は最後尾、レースは12位という不本意な結果に終わった。 なぜ、角田は2戦目でミスを連発させたのか。 状況を確認しよう。まず予選でのクラッシュだ。角田がクラッシュしたのはQ1と呼ばれる予選の最初のピリオドで、しかも、最初のアタックだった。 「あのコーナーまではマシンのフィーリングがとても良く、力強いラップだった」と言う角田は、3区間あるセクターのうち、セクター1はそれまでタイムアタックしていた15人中2番目に速いタイムで通過していた。 しかし、F1の予選は18分間のQ1の後に15分間のQ2があり、Q1の上位15名がQ2に進出できることになっている。したがって、このQ1ではQ2に進出できるかどうかというチームやドライバー以外は、限界で走る必要はない。 角田が所属するアルファタウリはチームメートのピエール・ガスリーが開幕戦に続いてエミリア・ロマーニャGPでも予選5位につけていたように、Q1を突破する速さは十分あるチームだ。ところが角田は「シケインの進入でハードにプッシュしすぎて、その後はマシンをコントロールできなかった」ためにタイヤバリアにクラッシュした。 予選後、角田は「今日の予選でのクラッシュは僕のミスで、チームに謝りたい」と反省した。なぜなら、このクラッシュで、角田のマシンは車体後部を大きく損傷。ギアボックスとパワーユニットを交換することとなった。現在のF1はパワーユニットも使用するにあたって制限がある。今後、クラッシュした角田のパワーユニットが使用不可能となれば、シーズン後半に角田がペナルティを受ける可能性は高い。 次に日曜日のレースでのクラッシュだ。 土曜日の予選でのクラッシュから一夜明け、角田は「気持ちをリセットして」レースに臨もうとしていた。そんな中、レースのスタート1時間半前から雨が降り出す。 「(最後尾スタートだったので)とにかく順位を上げるしかない。ただ、(F1で)雨の経験がなかったので、1周目は様子を見ながら、順位を上げるところはしっかりと上げていこうと思っていました」(角田)