各球団の主力選手が続々メジャー挑戦志願 「有原式FA」禁止のルール作りが急がれる理由
自分の力がメジャーで通用するか挑戦してみたい――。NPBの選手にとってメジャーで活躍することが身近な目標になっている。今オフには巨人で昨年自身4度目の最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を行使し、オリオールズに移籍が決定。佐々木朗希(ロッテ)、小笠原慎之介(中日)、青柳晃洋(阪神)がポスティングシステムを利用して米国でプレーすることを希望している。 【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら 「かつてのメジャーリーグは、イチロー、松井秀喜、松坂大輔など日本球界のトップオブトップの選手だけが目指す世界でしたが、時代が流れてNPB全体の評価が格段に上がっている。米国のスカウトは各球団で魅力的な選手をリストアップしています。各球団の主力選手がメジャーを目指す流れは、今後加速すると思います」(スポーツ紙デスク)。 ■選手たちが続々とメジャー挑戦を公言 実際、メジャーへの挑戦を口にする選手たちは続出している。たとえば阪神では、才木浩人、佐藤輝明が今オフ、ポスティングシステムで将来メジャー挑戦したいという意向を球団に伝えた。昨年11月に開催された「プレミア12」で侍ジャパンの4番を務め、ベストナインにも選ばれた森下翔太も、将来的にメジャーを目指す思いをコメントしている。巨人でも不動の4番・岡本和真が来オフにポスティングシステムでメジャーに挑戦する可能性があるほか、23年のWBCを経験した大勢や戸郷翔征もメジャー挑戦への思いを語っている。 「巨人、阪神だけでなく米国でプレーしたい選手は増えています。西武の平良海馬、高橋光成、楽天の辰己涼介はメジャーでのプレーを希望していることを公言していますし、球界を代表する強打者のDeNAの牧秀悟も興味を示しています。ただ、ポスティングシステムを認めるかは各球団の判断になる。『有原式FA』が増えるようだと、球団側は戦力ダウンのデメリットを被るので、メジャー挑戦を容認するハードルが上がる恐れがあります」(民放のテレビ関係者) 「有原式FA」という言葉は、メジャーで2年間プレーして日本復帰した有原航平の移籍から生まれた。有原は大卒後に入団した日本ハムで6年プレーし、ポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦。レンジャーズでは故障で思うような活躍ができず、2年プレーした後に日本球界に復帰し、ソフトバンクに入団した。国内FA権を取得するためには大卒の場合1軍の登録日数で累計7年が必要なルールだが、2年間の海外生活を経てNPBの他球団へ移籍したことで、疑問の声が上がった。