立憲民主党・枝野代表、空中戦だけでは「政権にたどり着くことはできない」
立憲民主党の枝野幸男代表は31日夜、同党の開票センターで会見した。自民党の単独過半数確保が伝えられる中、共産党などとの「野党共闘」に一定の手応えを語った一方で、空中戦だけでは「政権にたどり着くことはできない」と自党の課題を語った。 【動画】衆院選2021投開票日 立憲民主党・開票センターの様子
日常活動で「一票一票積み重ねる足腰」が弱い
今回の衆院選で、立憲民主党は共産党などと候補の一本化を図るなど選挙協力を進めてきた。枝野代表は「かなり多くのところで、自民が強いと言われていたところでも接戦に持ち込めたと思っている。東京8区のように結果が出せたところもある。そういった意味では一定の成果はあった」と語った。 共産党とは、政権を取った場合に「限定的な閣外からの協力」で合意したと伝えられている。そのことによって「有権者が安心して立憲に投票できたのか疑問」と記者からただされたが、枝野代表は合意したのは「閣外協力」ではなく「閣外『からの』協力』だと強調。しかも「20項目に限って閣外から協力をいただくということ。日米安保や天皇制については、我々(立憲民主党)の方針でやらせていただくと理解いただいている」と説明した。 ただ、会見時点で自民党の単独過半数確保が伝えられるなど目指していた政権交代は果たせない情勢に。議席が伸び悩んだ場合の執行部の対応について「全体の状況、結果を踏まえてそれを分析して、しっかり参院選に臨んでいたきたい」と述べた。 今後の野党候補の一本化については「そもそも小選挙区制を軸として政権を選ぶ衆院選。与野党の一騎打ちの構図が選挙制度が想定しているあり方だ。できるだけ一騎打ちの構図に近づける努力をするのは当然。参院でも1人区については構造は同じだと思っている」との見方を示した。 劣勢が予想されていたが盛り返した自民党については「日常活動によって作られているネットワークが、かなりの部分が利害関係である場合が多いと思うが、そうでない部分があるのも間違いない。最後のところで踏ん張る力があるのは、そういう足腰の問題だと思う」と分析。 一方で「われわれは空中戦では一定の支持を広げることができたと思うが、一票一票を積み重ねていくという部分の足腰が弱い。ここを強くしないと政権にたどり着くことはできないとあらためて痛感している」と課題を口にした。さらに、無党派層への働きかけを「地に足つけて広げていく、日常活動をしていくことで、自民党の岩盤の支持層と対抗できる力をつけないといけない」と述べた。 日本維新の会は大幅に議席を伸ばす見通しが伝えられているが、関西では反自公票の受け皿が維新に向いているのでは?との質問も出た。それに対しては「(維新は)大阪では自民と戦っているかもしれないが、国会では自民党の補完勢力であるということが大阪やその周辺のみなさんに十分伝え切れていなかったということは反省点」と皮肉をにじませた。