はやぶさ2は新たな天体探索へ JAXA会見6月29日(全文2)
太陽系外から粒子が持ち込まれて母天体を形成
それをちょっとこれ、表にまとめまして、横の軸のほうに地球、火星、小惑星、木星、土星と太陽系を内側から外に取りまして、縦のほうに太陽系が生まれた45億年前から現在まで時間がたっていると。時間のほうはちょっと不均等な目盛りになっていますが。生まれたころっていうのは実は太陽系以前の証拠もあって、右上のところに分子雲起源粒子っていうのがありますが、実は大きな同位体の異常を持ったような粒子が幾つも見つかってるっていうことから、われわれが手にした試料の中にはそういう太陽系が生まれるものから、その後いろんなステージのいろんな情報を持っていたと、こういうのは非平衡コンドライトっていうんですが、そういう非常に貴重なものであるっていうことが分かりました。 そういった太陽系の外の粒子っていうのは、太陽系に持ち込まれて母天体というのを形成しましたが、それは先ほど申し上げたように、木星よりも外側、ずっと太陽系の外でできて、そこでアルミ26の崩壊によって水質変成ということが起こって、先ほどのような粘土鉱物のような鉱物がつくられたということで、同時に有機物も多様なものが生まれたということになります。 その後おそらく木星や土星の重力によって散乱されて、えいやっと飛んで、内側小惑星帯までやって来ます。その内側小惑星帯にやって来てしばらくすると、今度はその母天体が破壊されまして、それによってその破片が集積してリュウグウが形成されたと。その間に氷等を失ってすかすかになったんだろうと考えています。さらに、あれ? 消えちゃいました。すいません、ちょっとお待ちください。 吉川:今ちょっと、Webexの共有ができない状態になっていますので。
「はやぶさ2」の探査で大きな成果
司会:そうですね。ちょっと確認を取りますので少々お待ちください。ただ今、Webexのほうで接続が切れている可能性がありまして、その確認を行っております。ただ、私の今、司会台のほうではつながってはいるんですが、確認お願いいたします。 Webexの接続いただいている皆さま、司会・岸の音声、届いておりますでしょうか。確認していただければと思います。ただ今Webexの接続確認を行っております。Webexのほう、岸の音声、届いているとご返信いただいておりますので、音声のほうはつながっている状態のようです。Webexで接続いただいている皆さま、コメントの書き込みありがとうございます。マイク混線のほうはちょっとなかなか外部の方のような可能性もありまして、音声レベルの調整で対処をしたいと思います。今、登壇者、吉川のパソコンのほうの確認を行っておりますので、もう少々お待ちください。 それではWebexのほうの共有の確認が取れましたので、画面のほう、共有されていらっしゃいますでしょうか。Webexで接続されている皆さま、おそらく共有復活されていると思いますが、ご確認ください。それではWebex上も見えているという返事がありましたので、書き込みありがとうございます。それでは説明のほう、続きを再開させていただきます。 渡邊:それではこの表を説明しているところだったんですが、今から数億年前にリュウグウっていうのが、母天体が破壊されて破片が集まって形成され、そのときに氷が蒸発したというお話をしました。その後、表面っていうのは、今見ると、クレーターからすると1000万年ぐらい前の表面の状態を表しているので、つまりリュウグウができてからしばらくたってから高速自転をして、それによって表面が地滑りを起こして新しい表面がつくられ、それまでのクレーターが消えて現在のものになった、そういったようなことが推定されます。 その後、宇宙風化といって宇宙線を浴びてはいるんですが、それは表面のごく薄い層だけで、熱変性はほとんど受けていなく非常に新鮮な状態で地中に落ちてきたと。そういったものが地上での隕石であるとか惑星間塵と比較をすることによって、そういったものが地球に来る前の状態っていうものがこれから分かってくるだろうということで、この「はやぶさ2」の探査はこれらの大きな歴史を通じて太陽系の問題、あるいは地球にもたらせるものの問題について、大きな成果をあげたといえると思います。以上です。