「リンゴはいいけど、キャベツは要注意。でも…」プロ・コーチだけに伝えられた、じつは「本当に効果のある栄養」
ドイツサッカー連盟(DFB)公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)をもち、フライブルガーFCでU-16監督やU-16/U-18総監督を務めるなど、ドイツでの選手育成・指導歴が20年を超えるサッカー指導者にしてジャーナリストの中野吉之伴氏。 スポーツをはじめ、海外での教育・育成のあり方や仕組みづくりに関心をもつ中野氏は今回、ドイツサッカー連盟とドイツプロコーチ連盟(BDFL)の共催で、毎年7月に3日間にわたって開催されている国際コーチ会議に参加した。 ドイツサッカー連盟のA級ライセンスとプロコーチライセンス(S級相当)の保持者のみが参加できるこのカンファレンスで、いったいどんなことが語られたのか。 最適な体づくりと健康管理のための「栄養学」、コーチ一人ひとりの個性を活かした「指導者育成」、育成年代のための「環境づくり」の3テーマに分けてリポートしてもらった。
「いつ」「どんな」食事を、「どう」とるか
最適な体づくりと健康管理のためには、食事に関する正しい知識が必要だ。 特に、育ち盛りの成長期にある子どもたちにとって、「いつ」「どんな」食事を、「どのように」とるかは、つねに考慮されるべきことだろう。さすがに一昔前のように、食べれば食べるほど体が強く、大きくなると単純に考えている人は少なくなっているだろう。「山盛りのどんぶり飯を何杯もかっ込まないと強くなれないぞ」なんてことはないわけだ。 最適な食事による栄養摂取は休養プロセスの効果を高め、傷んだ体の機能を再構築するスピードとクオリティを高めてくれる。 「せっかくの知識も、使われないでいたのでは結局なにも変わらない。知ることが大事なのではなく、実際に取り組んでみることが、やはり大切です」 そう語るのは、ドイツの栄養学士で心理学士のアンナマリー・シュタインだ。現役時代は陸上選手で、トライアスロンもやっていたシュタインは、幼少期から健康上の問題を抱えていたが、栄養学的なアプローチでそれが改善されたことで、栄養学の世界についてもっと深く勉強したいと考え、その扉をたたいたという。