岸田首相が会見 「まん延防止」全面解除へ(全文2)ロシア制裁措置は可能な限りG7に同調
難民制度を抜本的に改める考えは
西日本新聞:西日本新聞の古川と申します。よろしくお願いいたします。ウクライナからの避難民の受け入れについてお尋ねいたします。ウクライナから、日本で安心して暮らしてもらえるために、今現在運用されている短期的な在留資格の運用ではなくて、条約難民に基づくような難民制度を抜本的に改めるようなお考えは総理の中にありますでしょうか。よろしくお願いいたします。 岸田:ウクライナから第三国に避難された方々のわが国への受け入れをまず進めていく方針ですが、官房長官の下に、ウクライナ避難民対策連絡調整会議、これを設置し、これを司令塔として、ウクライナ難民と受け入れ先のマッチングをはじめ、政策を進めていきたいと思います。 こうした具体的な対応を行っていきたいと思いますが、ご質問の趣旨は、そもそもこうした難民の受け入れそのものついて基本的に変えるつもりはないかということかと思いますが、わが国は、難民認定については難民条約の定義に基づいて、難民を認定すべき者は適切に認定してきたと認識しています。また、難民と認められない者であっても、今回のウクライナ難民のように本国事情等を踏まえて人道上の配慮が必要だと認められる者については、わが国での在留を認めるなど、状況に応じて適切に対応してきたと思っています。今回のウクライナのケースにおいても、今後も状況を見ながら適切に対応していきたいと思いますし、そして先ほど申し上げた対策連絡調整会議を中心に、難民と受け入れ先とのマッチング以外にも、日本語教育ですとか就学、就労、定住、こうしたさまざまな円滑な受け入れのために必要な措置、あるいは生活支援を行っていきたいと考えております。以上です。 司会:では次の方。中国新聞、樋口さん。
ロシアからのエネルギー供給にどう取り組むのか
中国新聞:中国新聞の樋口と申します。冒頭発言がありましたけれども、ウクライナ情勢に関連して、ロシアからのエネルギー調達について伺います。総理の地元の広島ガスをはじめ、特にロシアからのLNGの輸入というのはかなり多くのガス会社が頼っているという現状がありまして、ただ、例えば極東サハリンでの事業、これ、イギリスの大手企業が撤退するなど、先行きが非常に危ぶまれておりまして、エネルギーの確保、また料金の値上げにつながるのではないかという懸念も出ております。こうした現状の中で、先ほどおっしゃった制裁措置とのバランスをどういうふうに取りながら今後ロシアからのエネルギー供給に取り組んでいく考えか伺います。 岸田:まずガス料金については、料金の急激な上昇に一定の歯止めをかける原料費調整制度、こういった措置をしております。政府としてはこの制度の下で急激な価格の上昇が起こらないように取り組んでいく所存です。そしてサハリン2をはじめとするプロジェクトについてですが、これについてはわが国が権益を有しているというプロジェクトであります。長期的に、そして低価格でこうしたエネルギーを調達できるという権益を、わが国が持っているプロジェクトであります。そしてサハリン2で申し上げるならば、需要量の約9%に当たるLNGを供給している、こうしたことであります。これはエネルギー安定供給上、わが国にとって重要なプロジェクトであると認識をいたしております。 そして先ほども申し上げましたが、エネルギー安全保障の観点をしっかり追求しながら、可能な限り制裁措置をG7に同調させていく、こうした取り組みを進めていきたいと思います。そしてそのためにも先ほど申し上げましたG7首脳声明での5つの制裁については、わが国として早急に実施をしていきたいと考えています。以上です。 司会:それではニッポン放送、畑中さん。