岸田首相が会見 「まん延防止」全面解除へ(全文1)可能な限り日常生活を取り戻す期間に
岸田文雄首相は16日夜、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「岸田首相が会見 「まん延防止」全面解除を表明へ(2022年3月16日)」に対応しております。 【動画】岸田首相が会見 「まん延防止」全面解除を表明へ(2022年3月16日) ◇ ◇
機動的に厳しい対露制裁措置を講じる
司会:ただ今より岸田内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに岸田総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。 岸田:本日は戦争が続くウクライナ情勢への対応と新型コロナ対応についてお話をいたします。まずロシアのウクライナへの侵略について申し上げます。ロシアの今回の暴挙は歴史に刻むべき非道な行為です。自由、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜くため、わが国は断固としてこれを糾弾いたします。そして米国や欧州などG7と連携して、事態の展開に合わせて機動的に厳しい対露制裁措置を講じてまいります。 こうしたわが国を含めた国際社会の一致団結した怒りの声、制裁措置に対し、ロシアは対抗措置を取り始めました。原油やガスの国際市場は急騰し、世界中の消費者や経済を直撃しています。穀物市場をはじめ、食料関連市場も逼迫するとの見方が広がっています。エネルギーと食料の純輸入国であるわが国の経済と生活への打撃が懸念されます。しかしウクライナ国民と共にあることを示すためにも、そして国際社会の平和と秩序を守り抜くためにも、ロシアの揺さぶりや脅しに屈することは決して許されません。われわれは侵略と戦い、祖国を守るため懸命に行動するウクライナの人々を断固たる決意で支援いたします。
資産凍結の対象範囲をさらに拡大
今こそ省エネやウクライナからの避難民の受け入れをはじめ、国民の皆さんのご協力が不可欠です。政府としてもそうした国民の皆さんのご協力に応えるべく、そして国民の皆さんへの経済的打撃をできる限り小さくするため、ありとあらゆる政策を思い切って講じてまいります。 以下、具体策を3点申し上げます。1点目はロシアに対する制裁のさらなる強化です。先般、G7首脳で発出した声明を踏まえ、ロシアに対して外交的・経済的圧力をいっそう強めます。このため、法令上の措置を含め必要な対応を行います。具体的には次の5項目に取り組みます。第1に、ロシアに対する貿易優遇措置である最恵国待遇を撤回いたします。第2に、輸出入管理をさらに強化いたします。ロシア向けのぜいたく品の輸出禁止を行うとともに、ロシアからの一部物品の輸入を禁止します。今後、速やかに対象品目を特定いたします。第3に、IMF、世界銀行、欧州復興開発銀行を含む主要な多国間金融機関からロシアが融資を受けることを防ぐよう、G7で連携して取り組んでまいります。第4に、プーチン大統領に近いエリート層や財閥オリガルヒなどに対する資産凍結の対象の範囲をさらに拡大いたします。第5に、デジタル資産などを用いたロシアによる制裁回避に対応するため、暗号資産交換業者などの協力を得て、金融面での制裁をさらに強化いたします。 2点目はウクライナの方々への支援です。ウクライナおよび周辺国に対し1億ドルの緊急人道支援を行います。国連難民高等弁務官事務所、UNHCRなどの国際機関と連携して、侵略に負けず懸命に生きるウクライナの方々へ食料、医療品など必要な支援をお届けいたします。難民を助ける会をはじめとする日本のNGOとも連携して支援を進めてまいります。ウクライナ側からの新たな要請を踏まえ、医療用資材、双眼鏡などの装備品を追加で供与いたします。本日ウクライナへの輸送を開始しました。さらに防弾チョッキ等を米軍機が輸送しています。ウクライナ国民とのさらなる連帯を示してまいります。 3点目はウクライナから避難された方々のわが国での受け入れ体制の整備です。320万人を超えるウクライナの人々が避難を強いられていることに心を痛めた多くの自治体や企業、そして民間団体の方々から、避難民の受け入れに協力したいとの心強い声が上がっています。私が先週訪れた東北の被災地では、被災自治体の首長の方々から、東日本大震災のときにはウクライナの方々から温かい支援をいただいた、今度は私たちがその恩をお返ししたいといった声を直接いただきました。