出産後も入院継続…孫見たさに義母が毎日来院、症状が改善しない嫁が感謝した夫の言葉
偶然、義母と入れ替わりで夫が病室へ
さて、このとき出揃った案は2つ。このまま入院生活を続けるべきか、自分たちの新居に住まずに娘と共に義父母と同居するか。正直悩みもしませんでした。ふと気づいたときには「お義母さん、心配なので入院を続けます」と残念そうに私は伝えていました。自分でもびっくりするほどの速度で。 義母は孫との生活を夢見ていたのでがっかりしていましたが、これ以上血圧が上がると私は本当に命の危機なので、勘弁していただきたいところです。 そんなこんなでその日は、「ごめんね。今日は市役所に行くから、もう帰らなきゃ」といつもより早く義母は帰りました。全然大丈夫です。なんか私が頼んで来てもらっている形になっていてすみません。 するとそのとき、偶然にも入れ替わりで夫がやってきました。帰り支度をする義母に「え?なんでいるの?」と眉をひそめる夫。「孫ちゃん見たくてーじゃあ帰るわねー」と義母が出て行ったのを見て「え、もしかして結構来てる?」と私に質問。 「うん。毎日来てる」と答えると、夫は「は?毎日?行かんでいいって言ったのに!」とブチギレ。その後帰ってから義母に「入院してんねんから、ゆっくりさせてやれ!気遣うねん!」と言ってくれたそうで、そこから義母の来院はパタリと止みました。ありがとう、夫。 そして不思議なことに、その後しばらくして急激に血圧が低下し、あれよあれよという間に退院となりました。体とは正直なものですね。 ただし、病室が同じだった先輩方の姑対策のアドバイスもあって、義母が来なくなってから私は毎日長女の写真や動画を義母に送るようにしていました。それもあって義母は来院を我慢してくれていたようです。 今なら少しわかるのですが、赤ちゃんは日々成長し、毎日違った表情を見せてくれます。義母は孫が可愛くて仕方なく、しかも初めて女の子の赤ちゃんがやってきたことで、どんな成長も見逃したくなかったのでしょう。 そして夫は軽く「オカンには適当に写真でも送っといて!」と私に言いましたが、義母に送った娘の写真を見返してみると、本当に毎日ちょっとずつ変化しているのです。毎日寝不足で疲労困憊。毎日ただ娘を生かすことに必死だった私は、当時こんなに娘が変化していることに気づいていませんでした。 このような素敵な思い出を残すことができたのは、義母が孫の成長を見守りたいと切に願ってくれたからだと思っています。その点はお義母さんに感謝しています。
白目 みさえ(心理師・漫画家)