ミャンマーで取材中拘束「男2人に銃口を向けられた」ジャーナリストの久保田さん会見(全文1)
看守数人が突然やってきて、解放だと言われた
通訳の訳は明らかに不十分で、2~3分にわたる話をごく簡単な文章に訳すのみでした。その内容は、私がデモに参加し横断幕の文字を書いた、また、人々を惑わす映像を投稿し、ミャンマーのイメージを非常に悪くしたといったことを私に告げました。最後に付け加えることはあるかと言われましたが、私はないとだけ答えて、7年という判決を言い渡されました。判決後は囚人服の着用を義務付けられ、また、髪をかなり短く刈られました。 次の週、10月12日に再び裁判に召集された際には、足かせを付けられ、かがむような状態でしか歩けない状態で裁判所へ連れて行かれました。新たに入管法違反の3年の判決を言い渡されました。軍事法廷ではないので、そのときは通常の裁判官で、弁護士もいました。その後、11月17日の朝8時ごろ解放されたのですが、そのときの状況は、看守数人が突然やってきて、解放だと言われました。とにかく急いで出ろと言われたので、もう数分の間に荷物をすべてまとめ、ほかの囚人たちにこれまでのお礼を短く伝えて、すぐに出ました。そのとき、恩赦によって解放されたのだということは知りました。その後の流れについては、多くの報道で出ているとおりだと思っています。 最後に、お手元に配布した、囚人からのメッセージを発表したいと思っています。これは拘束中に入手したのですけれども、どのように入手したのかについては申し上げることはできません。彼らは、私が日本に帰ったときにこれを伝えてほしいというふうに託しました。書かれた人の個人情報が含まれる部分を隠すため、一部加工しております。読み上げさせていただきます。時間の節約のために、こちらは英語訳のほうを読み上げさせていただきます。 (英語 26:14~27:04)
私の経験を通じてミャンマーに目を向けてほしい
以上になります。非常に短いのですけども、それを書いてくれた人々については、ずっと獄中にいるときも考えていました。そんなときに、彼らのスケッチの、似顔絵というほどのものではないんですけども、そういったものを描いたものも残っています。こちらの紙も、文章と一緒に手記の形で残っており、この文字の部分は今、加工して隠しております。 通訳:なんていう部分、文字。 久保田:この文字の部分に関しては加工しています。冒頭にも述べましたが、私の経験を通じてミャンマーに目を向けてほしいというのが私のお願いです。人権団体、AAPPの調査によると、2021年2月1日に起きたクーデター以降、これまでに2500人以上の市民が殺害されています。また、これまでに1万6000人以上が逮捕され、そのうち1万2000人以上がいまだに不当に拘束されています。私はその1万6000人のうちの1人にすぎません。拘束され、声を上げられない人々から私は思いを託されたと思っています。今後も自分ができることを最大限行っていこうと思っています。私からの発表は以上になります。