偏差値30台の小6男子が決めた志望校は、偏差値65。無謀な挑戦を支えたのは根性ドラマのような生活指導!?【シングルマザーの中学受験 奮闘記|全寮制中高一貫校までの道のり】
河田さんという「鬼の生活指者」あらわる
「河田さん、叱り役をやってくれませんか?」と恐る恐るお願いすると、彼は渋い顔をしてこう答えました。 「正直、あまり気乗りはしませんね」 その返事に焦った私は、思わず食い下がりました。 「どうしてですか?」 すると河田さんは、厳しい表情で次のように言いました。「私が関わるとなると、事と次第では鬼のような指導をすることになりますよ。息子さんが泣くようなことになりますけど、それでもいいんですか?」。 これまで厳しいしつけなどしてこなかったので、鬼のような指導をされても息子は耐えることができるだろうか… と心配になりました。しかし、それでも頼れる人が他にいない状況で、私は覚悟を決めてお願いすることにしました。 ただ、このときの私には甘さがありました。(そうは言っても、他人の子どもを泣かせたりなんかはしないだろう)とどこかで思っていたのです。 困惑した表情を見せる私を見つめながら、河田さんは淡々と続けました。 「諺でも、仏の顔も三度までと言いますから、私との約束を三度破ったら、厳しく叱ることになりますよ。もしかすると、深く傷つくことになるかもしれません。それでもいいですか?」。 この話を息子に伝えずには進められないと思い、学校から帰ってきた息子を待ち、3人で話をしました。 「今のあなたには、目標を達成するための生活態度が欠けていると思うの。だから、河田さんに生活指導をお願いしようと思っているのよ」 すると、息子は怪訝そうな顔をして「生活指導って?」と聞いてきました。その息子の質問に対して、河田さんは落ち着いた低い声で言いました。「おじさんと簡単な約束をし、その約束を守ってくれるだけでいいから。でもね、その約束を三回破った時には、おじさんは強く厳しく叱ることになる。君がこわくて泣いたとしても、おじさんは決して妥協はしないよ。それが条件だけど… どうする?」 息子は、ちょっと曇った表情になりましたが、すぐにニヤリとして、「いいですよ」と簡単に了承してしまうのでした。おそらく、息子も私と同じように、河田さんが泣かせるようなことはないだろうと高を括っていたのでしょうね。一応は本人納得の上で、その翌日から河田さんによる生活指導がスタートすることになりました。 ◆続きは関連記事から! 今回の学びと葛藤《まとめ》 ●偏差値30台の小6男子が偏差値65を目指すには、目標と覚悟が必要! ●子どものやる気スイッチを入れるには、家族だけではなく外部の力を借りる手もあり?
執筆/清宮ゆう子
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