偏差値30台の小6男子が決めた志望校は、偏差値65。無謀な挑戦を支えたのは根性ドラマのような生活指導!?【シングルマザーの中学受験 奮闘記|全寮制中高一貫校までの道のり】
塾長の言葉で、ハッと目が覚める
私は怒り心頭で塾長に電話。「先生からいただいた資料を拝見し、学校のことを調べてみましたが、とてもうちの息子が入れる学校じゃありません。今の偏差値は40に満たないんですよ。一体どういう了見で雲の上のような学校を勧めるんですか?」とくってかかりました。 すると塾長は冷静に、「お母さん、息子さんから聞きましたよ。ハードルの低い学校ばかりを勧められているようですね。そんな学校を目指して、3年間塾に通う意味がありますか? 息子さんが本当に入りたい学校ができれば、勉強に対する取り組み方も変わると思います。仮にその学校に入れなくても、努力したという自信や最後まで諦めずにやり切ることができたという経験を積むことができる。簡単に入れる学校を目指すより、ずっといいんじゃないですか?」と諭されました。 (確かにそうだな…。母親である私が応援せずに誰が息子を応援するのか…)と、塾長の言葉に打たれ、これまでの自分の至らなさや愚かさが恥ずかしくなりました。息子にはこれまで何ら目標はなかったのだから、目標ができただけでも大きな収穫だと思わなければならない。応援してあげるべきだと思い直しました。
学校見学で見せた、息子の意外な一面
そんなことを経て、息子と一緒に学校見学に行くことにしました。これでやっと、本来の受験生としてのスタートラインに立てたように感じました。 見学当日。自分の志望校というだけあって、息子は行く前からウキウキとしてこれまでのテンションとは違い、母親としても、(自分が行きたいところを見に行くというのは、こんなに違うのか)と感じたものです。また、息子が先輩に向ける眼差しや質問は真剣そのもので、学校行事や寮生活に対する関心も非常に高いものがありました。 帰りの電車の中で「どうだった?」と聞くと、息子は「吹奏楽部にいた先輩のお姉さんたちが可愛かった。寮の説明をしてくれた人もきれいだったし、とってもよかった。あの学校へ行くのが楽しみになっちゃった!」と上機嫌。学校見学をしたら、すぐに入れるかのような気分になっているようでした。 (なんとも、おめでたい子…)と感じ、おかしくもあり、情けなくもあり、不安でもあり、複雑な気分になりました。
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