偏差値30台の小6男子が決めた志望校は、偏差値65。無謀な挑戦を支えたのは根性ドラマのような生活指導!?【シングルマザーの中学受験 奮闘記|全寮制中高一貫校までの道のり】
息子の生活習慣をはかる実験
そんな私の態度を見て、河田さんが一つの提案をしてきました。 「じゃあ、ちょっと試しに、とっても簡単なことをやらせてみてください。 学校から帰ってきたら靴を揃える。次に鍵は決められた場所に置く。おそらく、今の息子さんだったら、3日どころか、2日でやらなくなると思うんですですけどね…」 提案通りにやってみると、2日目には靴は揃えられず、「鍵がない」と家の中をあちこち探すハメに。案の定、簡単なことすら継続できない息子であることが証明されたのでした。 そのことを報告すると、河田さんは冷静に次のように言い放ちました。「私が言った通りになりましたね。 だから勉強においても、必要でやるべきことが続けられないんですよ。」 私は、ややムッとしながらも、「じゃあ、どうしたらいいんですか?」と河田さんに尋ねました。 河田さんは、少し間を置いてから問いかけてきました。「ところで、息子さん、あなたの言うことを聞きますか?」 私は正直に答えました。「いいえ、まったく聞いてくれません。」 すると河田さんは、苦笑いしながら断言しました。 「そうだと思ってました。彼には、怖いモノなんかないんですよ。怖いのは塾の先生くらいじゃないですか? 家庭では彼が王様なんで、自分の嫌な事は何もやらなくていいわけです。だから、好きでもない勉強なんかやるわけないじゃありませんか。こわい人なんていないし、叱る人もいないわけですから…」 何も言い返せない私。河田さんの言葉が、胸に深く刺さったのでした。 確かに、私が子どもだった頃を思い出してみると、母は私が言うことを聞かないと「お父さんに言いつけるわよ」とか「そんなことをしてると、お父さんに怒られるわよ」と言われていました。でも、うちは母子家庭ですから、そんな脅しも使えません。息子に対して何の抑えもない状況で、わがままし放題になっているのが現状です。 力で押さえつけるのはよくないと分かっていても、言うことを聞かないのであれば「脅す」か「ご褒美をちらつかせる」くらいしか手段が思い浮かびません。しかしながら、うちの場合は、ご褒美を与えすぎてその効果すらなくなっていました。 (どうしたものか…)と頭を抱えた私は、恥も外聞もなく必死な思いで河田さんに頼み込むことにしました。
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