東京の感染状況は減少傾向じゃない? モニタリング会議はどう分析したか
●医療提供体制
4段階で上から2番目に警戒レベルの高い「体制強化が必要であると思われる」。総括コメントでは「医療機関への負担は長期化している。重症患者数は横ばいであり、今後の推移に警戒が必要である」と記している。 猪口氏は、検査の陽性率や入院患者数、重症患者数といった3つの項目は横ばいだったものの、「医療機関への負担は長期化しているし、重症患者数は横ばい。これが非常に大事なポイントで、今後の推移に警戒が必要」だと説明した。
(4)検査の陽性率(PCR・抗原)「4.9%」
PCR検査での陽性者数の割合は、8月26日時点で4.9%と前週の5.5%より低く、「陽性率は緩やかに減少している」(猪口氏)。検査件数(8月18日から24日)は2万8094件で、前週の3万1977件、前々週の2万9229件より減少した。
(5)救急医療の東京ルールの適用件数「49.0件」
救急隊による搬送先の選定が20分以上かかった「東京ルール」の適用件数は、8月25日は48件で前週の75.9件より減少した。
(6)入院患者数「1522人」
8月26日時点の入院患者数は1522人で、前週の1614人より減少した。入院患者数は1500人超の依然として高い水準で「収束の兆しが見えない中、医療機関への負担が長期化している」(猪口氏)。 最大確保病床数(都は4000床)における入院患者数の割合は38.1%、確保病床数(都は2600床、前週より100床増加)では58.5%だった。 8月18日から24日までの新規の入院患者数は464人、退院者数は254人。同期間中の陽性者1553人のうち、無症状者は17.6%を占めた。 ※国の「指標及び目安」に当てはめると、「病床のひっ迫具合」(ステージ3=最大確保病床数の入院患者数の割合が20%以上)は、8月26日時点で38.1%(都の最大確保病床数は4000床)とステージ3の目安を超えているが、ステージ4の50%以上は下回る数値となっている。同様に、確保病床数の占有率は58.5%(都は2600床)でステージ3の25%以上を大きく超えている。
(7)重症患者数「31人」
東京都における重症患者の定義は「人工呼吸器または人工肺装置(ECMO=エクモ) を使用している患者」で、8月26日時点で31人。8月23日には39人まで増えたが、前週(32人)とほぼ同数になった。 年代別の内訳は、40代が2人、50~60代が13人、70代以上が16人。性別では男性の27人に対し、女性4人だった。 死亡者数(8月18日から24日)は11人で、前々週の1人、前週の7人から倍増。「今後の死亡者数について注視する必要がある」(猪口氏)としている。