東京の感染状況は減少傾向じゃない? モニタリング会議はどう分析したか
以下、猪口氏によるモニタリング会議の分析結果の説明を踏まえて、各指標ごとの推移をまとめた。
●感染状況
4段階で最も警戒レベルの高い「感染が拡大していると思われる」。総括コメントでは「新規陽性者数と接触歴等不明者数は減少傾向にあるものの、高い水準に留まっている。 都全域、リスクの高い高齢者に感染が広がっている」と付言されている。
(1)新規陽性者数「225.4人」
新規陽性者数の7日間平均は、先週の256.3人から225.4人に減少したが「依然高い水準で推移しており、注視する必要がある」(猪口氏)。増加比も88.0%と前週に引き続いて100%を割り込んでいるが、減少の速度は前週より緩やかだという。ちなみに第2波で最もこの数値が高かったのは8月6日の会議で公表された346.3人。 濃厚接触者の感染経路(8月18日から24日)を見ると、全世代の合計で、同居する人からの感染が41.1%と最も多い。次いで職場が17.2%と続き、会食が9.2%、接待を伴う飲食店が8.9%、高齢者施設などが7.1%だった。前週に引き続き「同居する人からの感染が高い割合」(猪口氏)だった。 家庭内感染とともに、友人との会食やカラオケ、バーベキューなどによる感染や、職場でのラスター発生例も報告された。家庭内に感染を持ち込まないためにも「家族以外との交流での基本的な感染防止対策の徹底」(猪口氏)が重要だとした。 ※国の「指標及び目安」に当てはめると、「新規報告数」(ステージ3=人口10万人あたり週15人以上)は11.2人でステージ2相当の数値になる。
(2)#7119における発熱等相談件数「69.7件」
東京消防庁の救急相談センターへの発熱などの相談件数で、感染拡大の予兆を早期につかむための指標の1つ。7日間平均は69.7件で減少傾向にある。
(3)新規陽性者における接触歴等不明者数「136.6人」増加比「86.7%」
接触歴等不明者数は7日間平均で136.6人と前週の157.6人より減少しているが、依然として高水準。8月26日時点の増加比は、100%を割り込み86.7%だったが、前週の78.4%よりも減少スピードは鈍化しており、「再度増加に転じることへの厳重な警戒が必要」(猪口氏)だという。 ※国の「指標及び目安」に当てはめると、「感染経路不明割合」(ステージ3=50%以上)は60.6%(8月26日時点)で、ステージ3の目安を超える数値が続いている。