なぜヴィッセル神戸は語り継がれる“120分の死闘”を制して今季初勝利と2年ぶりのACL本戦出場権を獲得できたのか?
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の東地区プレーオフが15日、神戸市御崎公園球技場で行われ、ヴィッセル神戸が延長戦にもつれ込む死闘の末に4-3でメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)を撃破し、2年ぶり2度目の本戦出場を決めた。 前半6分にキャプテンのMFアンドレス・イニエスタ(37)のゴールで先制した神戸は、逆転を許した後の後半35分、42分に日本代表FW大迫勇也(31)が連続ゴール。終了直前に再び失点したが、延長前半5分にFWリンコン(21)が決勝ゴールを決めた。 公式戦7試合目で待望の今シーズン初勝利をあげた神戸は、上海海港(中国)、傑志(香港)、チェンライ・ユナイテッド(タイ)とともにACLのグループJに入り、4月16日から5月1日までタイで集中開催されるグループステージを戦う。
イニエスタが先制ゴール
延長戦の末に壮絶なゴールの奪い合いを制し、待望の今シーズン初勝利を手にした余韻が漂うなかで、イニエスタは自身のインスタグラム(@andresiniesta8)を更新した。 自身がプレーする姿、神戸がピッチ上で円陣を組む光景、そしてゴール裏に集ったファン・サポーターが収められた写真とともに投稿されたスペイン語と日本語を併記した文面を介して、元スペイン代表のレジェンドは胸中に溜め込んできた感情を解き放った。 「ついに! ACLに行きます! 色々ありましたけどみんな全力を尽くしました! 一致団結! 皆さんいつも応援ありがとうございます!」 覚悟を決めて臨んだ一戦だった。ゴール裏に掲げられた横断幕「この一戦に全てを懸ける!! 絶対勝つ!!」に思いをシンクロさせたイニエスタは、開始わずか6分に相手ゴール前で誰よりも早くこぼれ球に反応し、左足で先制ゴールを決めた。 6分後にセットプレーから同点とされ、後半26分にはカウンターから逆転を許しても、この夜の神戸は誰も下を向かない。後半35分、42分と大迫が連続ゴール。公式戦で無得点が続いていたエースの雄叫びが、勝利を手繰り寄せたかに思われた。 状況が一変したのは、4分が表示されたアディショナルタイムへ入る直前だった。