なぜヴィッセル神戸は語り継がれる“120分の死闘”を制して今季初勝利と2年ぶりのACL本戦出場権を獲得できたのか?
どん底の状態にあえいでいるからこそ一致団結する精神が必要であり、ひとつの勝利が取り巻くすべての状況を好転させるとキャプテンは力を込めた。 果たして、今シーズンの公式戦で最長となる、115分間にわたってプレーしたイニエスタの気迫と執念がスタジアム全体に伝わり、ようやくもぎ取った公式戦初勝利。2年前は準決勝で先につながる扉を閉ざされた、アジアの頂点を目指す戦いへ再び挑める状況も、神戸に関わるすべての人々のモチベーションをさらに高める。 昨夏にブンデスリーガ2部のヴェルダー・ブレーメンから加入した大迫は、神戸の一員として初めて臨むACL本戦への決意をこんな言葉に変換している。 「僕たちは優勝できるだけのメンバーがそろっているので、本気で獲りにいきたい」 中3日で迎える19日には、敵地IAIスタジアム日本平で清水エスパルスとのリーグ戦が待つ。相手は中6日と休養十分な上に、神戸はアンカーのセルジ・サンペール(27)がメルボルン・ビクトリー戦の前半22分に負傷交代を余儀なくされた。 けが人を含めたチーム状況や個々のコンディションの回復などで、戦いを再びJ1リーグ戦に移す神戸はハンデを背負うかもしれない。しかし、そうした不安要素を吹き飛ばすだけの熱さと勢いが、一丸となって制した死闘を介して生まれつつある。