マカオFRワールドカップ、7度の赤旗の末ウゴチュクウが予選レースのPP獲得。日本勢最上位は中村仁
11月15日、第71回マカオグランプリのFIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップの予選2回目が行われ、今季初のドライセッションとなるなか、ウーゴ・ウゴチュクウ(R-ACE GP)が11月16日に行われる予選レースのポールポジションを獲得した。 【写真】第71回マカオグランプリ FRワールドカップ予選レースのグリッド上位3名 オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)が2番手に、ノエル・レオン(KCMG・IXO・バイ・ピナクル)が3番手につけた。日本勢最上位は中村で13番手につけている。 走行前日の13日から台風接近に伴う不安定な天候が続いたマカオ市街地。15日午後に行われた予選2回(Q2)は、待望のドライコンディションとなった。 曇天のもと、気温26度、路面温度31度で40分間の予選はスタート。全車がドライタイヤでコースインし、ドライ路面の感触、限界を少しづつ確認する。 ただ、セッション中に降雨も予報されたこともあり、アウトラップ明けには各車アタック入り。そんななか、ディーノ・ベガノビッチ(SJMセオドール・プレマ・レーシング)が2分22秒199をマークし暫定首位におどり出る。 1アタックを経て感触を掴んだ各車は続けて2アタック目に入った。そんななか、自己ベストを更新しつつあった佐藤凛太郎(TGM Grand Prix)がターン15で単独スピンからバリアにクラッシュし、その反動でコースを塞ぐかたちに。 そこに暫定首位につけセクター3全体ベストを更新していたフェラーリ育成のベガノビッチ。暫定5番手につけ、セクター1全体ベストを更新していたマクラーレン育成のアレクサンダー・ダン(SJMセオドール・プレマ・レーシング)の2台が避けきれず、凛太郎の車両に接触するかたちとなり3台がリタイアとなってしまった。 2台のセオドール・プレマと接触した凛太郎の車両はその勢いで跳ね上がるシーンもあったが、国際映像で自らの足でマシンを降りたことが確認できている。 これでQ2は赤旗となり、しばしの中断を余儀なくされた。また、りー海夏澄(ARTグランプリ)もターン15とは異なる場所でマシンを止めてしまい、この赤旗の間にマシンを降りた。 序盤から4台がリタイアとなるなか、現地時間16時3分に残り時間32分30秒でセッションは再開を迎えた。 ただ、またしてもターン15でトゥッカ・タポネン(R-ACE GP)が凛太郎の動きをなぞるようなスピンからバリアにクラッシュ。 これで16時7分に2度目の赤旗が提示された。ベガノビッチに続き、タポネンまでもがリタイアとなり、フェラーリ・ドライバー・アカデミーが揃ってターン15の餌食となってしまった。 セッションは残り28分9秒で現地時間16時13分に再開された。残り23分、FP2で最速タイムを記録していたノエル・レオン(KCMG・IXO・バイ・ピナクル)が2分20秒190をマークし暫定首位に浮上する。 さらに、中村仁(TOM'S Formula)が2分21秒692をマークし、暫定6番手と好位置につける。さらに、小川颯太(TGM Grand Prix)もセクター1全体ベストを記録するなど、日本勢も好走。 そんななか、初日トップのオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)が2分19秒735をマークし、暫定首位に浮上した直後、最終Rベンドでジェームズ・ウォートン(ARTグランプリ)が中村に追突。中村が弾き出されるかたちでクラッシュし3度目の赤旗となる。 中村にとっては完全な貰い事故だったが、このアクシデントはセッション終了後に審議されることになった。※追記:審議を経て、ウォートンに対し3グリッド降格処分が下った。 さらに波乱は続いた。赤旗でピットに戻った暫定首位ゲーテのマシンの消化器が吹き出してしまうまさかの事態に。MPモータースポーツのメカニックは大急ぎで修復に取り掛かる。 16時32分00秒にセッションは再開された。しかし、『ピットエントリーのバリアの交換が必要』として、16時32分45秒に4度目の赤旗が提示された。この赤旗の間にゲーテのマシンは修復が完了。 約17分の中断を経て、16時51分に再開された。ただ、各車がコースインした直後、ピットロード出口でスロー走行となったマティア・コルナギ(MPモータースポーツ)にレオンが追突、レオンはフロントウイングを失い緊急ピットインを強いられる。 そんななか、マクラーレン育成のウーゴ・ウゴチュクウ(R-ACE GP)が2分19秒610をマーク、ゲーテを0.125秒上回り暫定首位に浮上。 ここから終盤に向けて各車自己ベストを更新しようかというなか、ターン22(フィッシャーマンズ・ベンド)で小林利徠斗(TOM'S Formula)がクラッシュ、これで5度目の赤旗となってしまう。 17時4分にセッションは再開された。日本勢で唯一コース上に残った小川颯太(TGM Grand Prix)を含む各車が最後のアタックに向けてマシンを進めた。 しかし、その4分後に6回目の赤旗が提示される。ウォートンが単独クラッシュしたところに、後続から来たエヴァン・ジルテール(ARTグランプリ)が避けきれず接触。ARTグランプリはこれで3台ともにリタイアとなってしまう。 現地時間17時17分、残り時間8分48秒でセッションは再開を迎えた。ゲーテがウゴチュクウのタイムを上回ると、今度はウゴチュクウが0.014秒上回るという見応えあるアタック合戦となった。 しかし、ジェット・ボウリング(キウイ・モータースポーツ)がRベンドでクラッシュ。残り時間3分4秒で7回目の赤旗が提示され、この赤旗を持ってQ2は終了に。 マクラーレン育成のウゴチュクウが予選レースのPPを獲得。2番手にゲーテ、3番手にレオンが続いた。なお、現地時間18時より追加のドライバーブリーフィングが実施されることも公示されている。 日本勢最上位は中村の13番手。19番手小川、23番手小林、25番手凛太郎となった。 第71回マカオグランプリのFRワールドカップ。明日16日(土)の日本時間16時30分より10周の予選レースが行われる。伝統のグランプリレースのポールシッターを決する戦いを楽しみに待ちたい。 [オートスポーツweb 2024年11月15日]