通天閣46歳社長・大阪への熱き思い「今年も仕掛けまっせ」
厳しい状況でも驚くようなスリル体験満載な施設を作りたい
通天閣46歳社長・大阪への熱き思い「今年も仕掛けまっせ」
大阪・新世界の観光名所で、国の登録有形文化財にもなっている「通天閣」(大阪市浪速区)。昨年は大阪府が新型コロナウイルスの感染拡大・収束状況を判断するための独自指標・基準となる「大阪モデル」の基準値を表すライトアップに協力し注目を浴びたが、その反面、緊急事態宣言による休業、来場者数の激減という事態に見舞われた。しかし、そんな逆境の中でも様々な知恵とアイデアを打ち出してきた通天閣観光の高井隆光社長(46)は「コロナで厳しい状況になったけど、支えてくれる社員と一つになれるきっかけにもなりました。2021年はみなさんが驚くようなスリル体験満載な施設を作りたい」と意欲を燃やす。 【映像】高井社長が語る「大阪モデル」点灯決定の決断の様子「最初は寝耳に水でした」
長きにわたりキープしてきた年間入場者100万人も今年度は厳しい
通天閣は、2007年度から長きにわたり年間100万人以上の来場者をキープする大阪・関西を代表する人気観光スポット。しかし、新型コロナウイルスの感染者数拡大とともに入場者数が激減した。 2019年度はかろうじて100万人を突破できたが、2020年度にいたっては、4月に出された緊急事態宣言を受け、約2か月にわたり休業。5月末の営業再開後の通天閣の入場者数は、6月が前年比20%、7月が15%、8月は10%というこれまでにない結果となり、100万人達成は難しい状況となった。
休業を選択、社員に告げる時に涙
「いやぁほんとに2020年はえらい1年になりましたねえ」と語る高井社長。緊急事態宣言が出される直前の同年4月6日の入場者数は80人。翌7日は60人、8日は30人と、これまでの最低入場者数を記録した。 高井社長は「これまでどんなに暇やなあいうても、1日3千人はきてもうてたんです。それが、4月8日でとどめを刺された感じになって。9日に初めての『休業』という選択をした時は辛かったです」と当時を振り返る。 そう、この影響で、通天閣は、台風などの自然災害による臨時休業をのぞき、開業以来の初の休業を決断。高井社長は8日営業終了後に社員を集め、涙ながらに休業を伝えた。 高井社長は険しい表情をみせ「日ごろ支えてくれている通天閣のスタッフ、本当に出勤をいいよと本当に言うのは断腸の思い、二度としたくないなという思いはありますね」と語った。