大阪・通天閣 45歳新社長が語る「仕掛け」を続ける理由
大阪・通天閣 45歳新社長が語る「仕掛け」を続ける理由 通天閣観光・高井隆光社長
「大阪のシンボルタワーと言われ続けていくゆえに、皆さんの声援を糧に令和の大阪を盛りあげたい」と語るのは、通天閣観光の高井隆光社長(45)。半年前に副社長から社長に昇格し、さっそく昨年12月には通天閣展望台に新たな「跳ね出し展望台」を設置し、正月も多くの人でにぎわいをみせている。副社長時代にも様々な通天閣への「仕掛け」が話題を呼んできたが、なぜここまで仕掛けを続けるのか。正月も営業を続ける通天閣で高井社長に聞いてみた。 【360度カメラ映像】通天閣のてっぺん「跳ね出し展望台」を体感
入社したころは、雑誌の扱いも小さかった
2日も朝から多くの人が訪れ、入口の行列がとぐろを巻くほどの人気ぶり。2019年の入場者数は約120万人の見込みで、2007年から長きにわたり年間100万人以上をキープしている。 「僕が役員になったころは、通天閣は大阪を紹介する雑誌でも、天王寺エリアに少し載っているだけの注目度でした」と振り返る高井社長。2005年の通天閣50周年の時に副社長に就任し「このままでは真のシンボルタワーになれない。なにかをせなアカン」という思いから、様々な仕掛けを思いついては実行した。
初めての「仕掛け」はビリケンさんの東京出張
まず最初に仕掛けたのは、展望台に置かれていた「ビリケンさん」を東京で開催されるイベントへ「出張」させるというものだった。 ビリケンさんは、幸運の神様として展望台で多くの人に愛され、足裏をかくとご利益があるとして、大阪人はもとより、多くの人に愛されている。 「そんなビリケンさんを持ち出すということで、当時の役員からは反対の意見もありました。通天閣にとっても神様ですから」と高井さん。新たな仕掛けをしないことには通天閣に未来はない。そういう思いから出張を実行した。 しかし、出張の際はリムジンや飛行機の座席に乗せるVIP待遇。それがマスコミでも話題となり、当時は関西でしか知られていなかったビリケンさんを全国区にするきっかけとなり「ご利益をもらうため」に行列ができるほどの人気に。同時に入場者数の増加へとつながった。