なぜ神戸のACL8強決める”イニエスタ弾”が生まれたのか…「まだまだ歴史を作り続けていく」
西の代わりに右サイドバックに入った筑波大学卒のルーキーで、身長186cm体重79kgのサイズをもつ山川の主戦場はセンターバック。初経験の右サイドバックに挑んできた10月以降の日々を、中学・高校年代と神戸の下部組織で育ってきた23歳はポジティブに受け止めている。 「僕だけでなく、いろいろな選手がいろいろなポジションでプレーできれば、戦術や選手起用の幅も広がる。僕は与えられたポジションで常に全力で戦い、チームに貢献したいと思っています」 センターバックにはベルギー代表のトーマス・フェルマーレンと、今シーズンにレノファ山口から加入した23歳で、身長188cm体重80kgのサイズを誇るファイターの菊池流帆が入った。国内リーグ戦を含めて、データ的に乏しい選手が入れば対戦相手も戸惑う。もっとも、ただ単に若いから、神戸での出場歴が浅いからという理由で起用したわけではないと三浦監督は力を込める。 「彼らの日々の努力が、彼らを使いたいと私に思わせた。イニエスタ、フェルマーレン、山口、酒井といった経験豊富な選手たちが神戸のトレーニングの質を上げてくれて、それに引っ張られる形で若手が意欲的にトレーニングに取り組み、チームの底上げに繋がったと思っている」 サイドバックでも発揮した攻撃力をフル稼働させてウイング抜擢に応えた西を含めて、ノックアウト方式の決勝トーナメントに入り、周到に準備してきたACL仕様の神戸がいよいよ本格的にベールを脱いだ。対照的にFC東京とマリノスは、無念の思いを残してベスト16で姿を消した。 FC東京は警戒していた元ブラジル代表MFレナト・アウグストに守備網をこじ開けられ、ブラジル出身のFWアランに決められた後半14分の失点に泣かされた。上海緑地申花(中国)とのグループリーグ第4戦で背後から悪質なファウルを見舞われ、戦線離脱を余儀なくされた大黒柱のFWディエゴ・オリヴェイラの穴を最後まで埋められず、北京国安の「個」の力に屈してしまった。