榊原委員長「みんなで車を造っていない」日野自動車会見8月2日(全文1)
経営層はどこまで知っていたのか
日本経済新聞:日本経済新聞の【ヤマダ 00:20:45】と申します。1点目が排ガスと燃費の不正についてなんですけれども、これパワートレーン実験部の担当者らが不正行為を行っていたというふうにありますが、元役員の指示とかも出てくるので経営層レベルとしてはどこまで知っていた、関知していたものなのか、その不正の組織性はどれぐらいあるかっていうのをどういうふうに見ていらっしゃるでしょうかっていうのが1点目です。 2点目が2016年問題について、これも担当者レベルであくまで適切にやったというふうに装って、経営層はそれをそのまま出してしまった、つまり知らなかったのか、それとも2016年のこの問題のときも不適切であることを知った上でそういう報告を虚偽でしていたのか。この2点を教えてください。 榊原:最初の、経営層の認識の問題ですけれども、実際に不正行為を具体的・個別的に認識していたのはパワートレーン実験部の人たちですが、それ以外の役職員について、その上のほうの役職員につきましては、個別具体的な不正行為を認識していたと認めるに足りる証拠は見つかりませんでした。
当時の経営陣が認識していた可能性はあるのか
それから同じように2016年問題につきましても、担当者レベルの認識にとどまっておりまして、その上の役員などの認識を認めるに足りる証拠は見当たりませんでした。われわれもそういった役員、経営層がそういった認識を持っていたのかどうかについてはやはり重要なポイントだというふうに考えて、多くの人たちのヒアリングを実施したり、あるいは議事録などを精査したり、メールなどやりとりしているものについて精査したりしまして、その点の解明に努めましたけれども、今、申し上げましたように、パワートレーン実験部以外の上のほうの役員、それから経営層についての認識を認めるに足りる証拠は認められませんでしたという結果です。 日本経済新聞:すいません、排ガスと燃費のほうについて補足で伺いたいんですが、個別具体的な事案としては認識してなかったけれども、なんらか不正があっただろうっていうことは当時の経営陣は認識していた可能性があるのか、そこについてはどうでしょう。 榊原:その点につきましても、そういった可能性について認識してたというふうに認められるような証拠は見当たらなかったということです。当時の役員の人たちがまったく問題がなかったのかといいますと、先ほどの概要説明のところで申し上げましたように、そういったきっかけとしての指示っていいますか、燃費についてこういう目標を達成しようということについて強い指示がありまして、そういったきっかけでなかなか開発のスケジュールが逼迫していたりとか、そういう開発計画がうまくいかなかったりとかいうことで追い込まれて、担当部署であったパワートレーン実験部がこういった不正行為を行ったんですけれども、そういうことに立ち至った条件につきましてはやっぱり相互にチェックする体制が弱かったりとか、開発スケジュールについて十分な配慮ができなかったりとかっていうことについて、その他の部署の人、あるいは役員の人たちについては問題があったのではないかというふうに認識しております。 日本経済新聞:ありがとうございます。 司会:それでは一番向こうの後ろから3列目の方お願いします。 【書き起こし】日野自動車会見8月2日 全文2に続く